10/12
1節
その後、暫くあの服を借りるという約束を取り付けた山城は帰路についた。
「よかったな、瑞穂」
「うん!」
有栖川の家に入る前のしかめっ面が噓のような表情をしていたので、山城はとりあえず安堵していた。
が。
「君が担い手・・・でいいんだね?」
突然何処かから声がした。
「はい?」
「君がそこに立っているのが許せない・・・なんて吐く人間じゃないから安心したまえクソ野郎」
「お前・・・何を言って・・・」
突然話し掛けられた上に貶されるのは慣れていない・・・いや、慣れている奴なんか居るのだろうか、と山城は適当に考え、こう言った。
「んで、何の用だ・・・てかそもそも誰なんだよ」
「俺は、鋭利電機の開発リーダー、御崎 巧哉。それを引き取りに来た・・・っても応じないよね」
「ってことは・・・」
「察しが良いね、君。いいよその調子」
(話がどう進んでるんだ・・・一体)
と山城は思った刹那。
御崎が放った銃弾が瑞穂の頭に直撃した。
瑞穂はアンドロイドなので血が出ることはないのだが、頭に空いた風穴から、ビリビリと音が聞こえる。
山城は、そんな瑞穂に駆け寄って行った。
「おい瑞穂・・・瑞穂!しっかりしろ!」
「君も死にたいのかい?」
後ろを見ると、御崎が山城の頭に銃を突き付けていた。




