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私の走る意味  作者: とも
3/7

私の走る意味3

「で、百メートル最後のメンバーはミサキだ。今日はこれで解散だ。連絡事項はない。各自帰るなり自主練するなりしろ」

 そういって顧問は職員室に戻って行った。

「すごいねミサキ!二年生で選手になったのミサキだけだよ!」

 隣でマユが自分のことのように喜んでいた。

「ミサキすごい頑張ってたもんね。努力が報われて私もうれしいよ」

 そういって泣きマネをするマユ。

「あんたは私のお母さんか」

 マユの頭にチョップを入れてやる。

「えへへ。でも本当によかったね。彼氏さん喜んでくれるかもよ」

「いや、だから彼氏とかそんなんじゃないって」

「またまた。毎日一緒に帰ってるのに?」

「帰りの方向が同じだけなの」

 嘘ではない。あとで知ったのだが実はサカキは私のご近所さんだったのだ。

「ふーん。意地でも付き合ってないと?」

「付き合ってない」

「好きなのに?」

「好きでも、って何言わせるの!」

「やっぱり好きなんだね!」

 マユは目を輝かせて喜んだ。もう恋バナをする時の女子の目になっている。

「いつから好きなの?」

「・・・知らない」

「えー。そんな冷たいよ。私とミサキの仲じゃない」

「・・・それでも内緒」

「告白とかしないの?」

「こ、告白なんて、できないよ」

 自分でもわかりやすいほどに動揺してしまった。

「えー。なんで?ミサキかわいいから絶対大丈夫だよ」

「やめて。そんなことないから」

「顔赤くなってるよ。かわいいなもう」

 そういってマユは私に抱き付いてきた。

 私は自分でも顔が赤くなっているのがわかるほど熱くなっていた。きっと夏の日差しのせいだ。

「もう。早く部室行って着替えよ」

「そうだね。彼氏さん待たせちゃ悪いもんね」

「だから、違うって」

 私たちは部室に行って着替えてから別れた。

「それじゃあまた明日ねミサキ。彼氏さんと何かあったら教えてね」

「だから違うって。また明日ね」


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