ビッグカップル誕生!?
「バンッッ!!」
「痛っっ、、」
「学校来ねぇ奴は一発殴っとかねぇとな。」
「何すんだよ、」
「女は下着チェックからだな。」
「、、、ざけんなよ。」
ー無断欠席したり、タバコやったり、ケンカしたりしてるどうしようもない奴は、無条件で生徒指導室に送り込まれる。そこには、金属バットを片手に持った生徒指導担当、そしてアケミの担任・金沢が待ち受けている。よくわからないが、この生徒指導を受ければ、どんな不良でも、単位を認めて卒業させてくれるらしい。(リョウが先代の総長・シンジさんから聞いた話による。)もちろん、リョウもタクミも、そしてアケミも、何度目かの生徒指導。慣れっこだ。
外ではアケミのクラスメイトのユウコ、ミユキ、メグミがアケミの生徒指導の終わりを待ってくれていた。(彼女達は、まだ見込みがあるので、生徒指導からは外されているのだ。)
「みんなお待たせ〜」
「あら、アケミ。」
「ごめん、長引いちゃって。」
「あれ、これ何?」
「ワックスじゃない?」
「きっとあいつらよ。」
「リョウとタクミ?」
「そう。前にいたでしょ。」
「私、届けてくる。」しばらく黙っていたアケミが一言。
「アケミ、大丈夫?あっちは暴走族よ?」
「大丈夫だって。」
「そう。じゃあ、ミユキもメグミもここで待ってましょうよ。」
そしてこちらは、同じく生徒指導終わりのリョウとタクミ。金属ケツバットは何度やられてもやはり痛い。
「いいよな。女はスカートめくられるだけで。」タクミが言う。その手にはすでにタバコ。バレないように足早に校門から出る。
「ん、一本。」タクミはリョウに、一本タバコを差し出す。
生徒指導終わりの一服は、身体に、肺に、沁みわたる。
ー「ねえ、これ落とした?」
リョウとタクミは振り向いた。後ろには、かの有名な女番長、アケミがいた。
「あ、C組のアケミじゃん。どうしたの?」タクミが言う。
「このワックス!俺のだ。ありがとう。」
「バカ。俺のだよ。」すかさずリョウが言う。
「リョウさん?」
「おう、ありがとな。」
アケミは笑顔のままそこを動かない。茶髪のソバージュが夕陽に照らされて輝いている。
「、、、今日一緒に帰れない?」
「俺?いいけど。タクミ、お前先帰ってろ。」
タクミは察しがいい。自分が誘われなかった悔し涙をこらえつつ、帰った。
「アケミ、いつも生徒指導の時いるよな。」
「そっちこそ。リョウさん達って、いつも走らせてるの?バイク。」
「おう。それが仕事だから。」
「そうなんだ。かっこいい。」
リョウは驚いた。バイクやってて「かっこいい」なんて言われたのはこれが初めてだ。
「じゃあ、私ここで曲がるね。」
「おう。気をつけろよ。」
「うん。じゃあね。」
「ねえねえ、アケミの様子おかしいわよ。」ユウコが言う。タクミは一人で先に帰った「バタフライ」の総長・リョウと二人きりなんておかしい。
「どうしよう。アケミに何かあったら。」とミユキ。
「私、行ってくる。」とメグミ。
と言いつつ、三人とも、仲睦まじげに話すアケミとリョウに釘付けだ。
「もしかして、、、できちゃった?」
「学校一のヤンキーカップル誕生しちゃったね。」
「これはネタになるぞー。」
「何のネタよ。」
「話のネタよ。」
ー浅華高校に、ビッグカップルが誕生しようとしている。




