浅華のレディース達
「、、、ということなので、今の夏川さんの成績だと、卒業も厳しいかと。」
「はぁ、そうですか、、アケミ、あなたこんな成績でどうするのよ。」
「知らねぇし。あたしの勝手にさせろよ。」
そう言って、足を組んで机の上にのせる。お母さんと話すのなんて久しぶりだ。あたしの将来?20歳になったら大人になれんじゃねぇの?勉強してどうなるってんだよ。
「アケミ、もうお母さん限界だわ。髪も茶色に染めて、こんなに濃いお化粧して!」
「、、、」
「夏川!お前、お母さんを悲しませて!1年の時だって2年の時だって、進級できる成績じゃねぇんだぞ。いいか、このままだと本当に卒業させてやらねぇからな。」
金沢、うっさい。お母さんもうっさい。そう言いたい気持ちをどうにか抑えて、大人達を鋭い眼光で睨みつける。言葉を抑えられるだけまだ見込みのあるワルだ。アケミは自分のことをそう思っている。
今ごろユウコは彼氏とデートか。ミユキは、メグミは、、、そんなことばかり頭に浮かぶ。茶色いソバージュを指でくるくるしながら。
翌朝、タバコ片手にホームルームへ向かう。
「アケミ、おはよ〜!」
「ユウコ、早速昨日のお話聞かせてもらわなきゃね」「そうよそうよ。どこまで行っちゃったんですか〜!」「お熱いキス、からの?」「まあまあ、待ってよ。まず、彼の家行ったのね。それから彼の部屋。参考書とか、大学の本とかたくさん置いてあるのよ。そうそう、彼、浪人生なの。そのまま話したりしてたんだけど、突然ズボンのチャック下げ出すもんだから、びっくりしちゃった。それで、そのまま、、、」「きゃ〜!二つ上の彼の部屋で、、♡か、、、」「ほんっと、うらやましー。」
「そう、だから私、彼に勉強教えてもらってサ、、、今の成績なら、短大も夢じゃないって」「短大か、、、」「そういうアケミはどうなのよ。」「えっ、男?」「違うよ。高校卒業した後のこと」「、、、(男ならいっぱい話せるのに)」「しっかしアンタ、ほんと派手ねぇー。さすが、浅華の女番長だわ。」「ふふっ。」「前のストーカー野郎と別れてどんくらいよ?」「んー。3ヶ月たったくらいかな。」「番長がそんなに男いないなんて!でもアケミなら男なんてすぐできるわよ。」「ねえねえ、そういえばさ、『バタフライ』の総長、リョウになったらしいわよ。」「あー、A組のでしょ。」「そうそう、副総長はタクミ。」
「おら、何見てんだよ。メガネくん。」
廊下から『バタフライ』らしき集団の声がする。下っ端のヤツららしく、リョウやタクミはいない。
「そんなに勉強しちゃって何が楽しいんですか!」
メガネくんの読んでいた参考書を取り上げ、足でくしゃくしゃに踏み潰す。
「こっち来る。逃げよ。」
「あ、アケミ?」
アケミは廊下の真ん中に立ち止まって彼らの前に立った。
(ちょっとアケミ!いくら女だからってそんな無茶な真似やめなさいよ!あいつらがキレたら、どうすんのよー)
「あれあれ、女番長じゃないすかー!!」「これはどうも、どうもですねー!」男たちは、さっきとは打って変わって、不気味なくらい引きつった笑顔で通り過ぎる。そして、
「おいお前ら!!!」
女の声と思えないくらいの怒号が廊下に響きわたる。
「本、メガネくんに返しな。」
「おお〜っと、これは失礼、メガネくん。俺たち、この本ちょっとだけ読んでみたかったんだー。」
「じゃー失礼します、アケミさん。」
「やっぱりすごいわね、アケミ。。」
「アケミったらほんと、男にも容赦ないんだから。ソンケーしちゃう。」
「さすが魔性の女ね。」




