序章② 鬼がいました
体を揺らされている感覚、俺は目が覚めた
現実を受け入れられない
状況を整理しようと一生懸命考える。
目の前に角の生えた化け物が居た。
さすがに夢ではないのかと思いながら
薄目を開ける
居た、
ここは日本じゃないのか?
鬼みたいなやつが居るんだが。
赤ちゃんのように泣くことしかできない、
夢じゃないことはもうさっき確認してたから
現実だと言うことになる。
泣くことしかできない。
今俺は感情を泣くと笑うの二つしか持っていないだろう。
赤ちゃんだから
泣きつかれて冷静になり
化け物では可哀想なので
『心の中では鬼と呼ぶことにするか』
と思うことにした。
揺らされ続けているので目を開けると、
次は鬼が二体に増えている。
「あんた、元気そうじゃない」
「そうらしいな」
片方が笑いながら、もう片方は固い顔で
喋っているのがわかる。
揺らしてるのではなくあやしているらしい。
鬼と言葉が通じるとは嬉しいことだ
というか、らしいなとはなんだ、起こしたのはお前たちじゃないか。
と心の中で鬼たちにツッコミをいれる。
「あんた、これ持ち帰るのかい?」
「野垂れ死なれても困る」
鬼は女と男がいるらしい
男は口下手なタイプなのだろう、角が一本なのが特徴的だ
女はお母さんというオーラがある、角が二本あるのが特徴的、あとデカイ。(何がとは言わない)
学生のままだったら理性が崩壊していただろう。
『赤ちゃんで良かったね』と心で思う
男は野垂れ死なせたくないらしい。
鬼じゃなかったら救世主だろう。
鬼なのだから話が違う。
鬼は何かを話しているが聞き取れない。
喰おうとしているのではなかろうか、
美味しくないことをアピールするために、
笑ってみた。
女の鬼喜んでいる。男の鬼も心なしか笑っているのではないだろうか。
女の鬼が俺にミルクらしいものを与えようとしている。
久々の食事にありつけるらしい
食欲には抗えず一生懸命に飲む。
飲んだら眠くなってきた
赤ちゃんの睡魔には逆らえず
寝ることが仕事なので俺は寝ることにした。