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序章① 赤ちゃんでした
泣いていた、一心不乱に
それがこの世界での初めての記憶
おかしい、学校からの帰りに公園のベンチで座っていたはずなのに…
公園のベンチで眠くなり目を閉じたあとの記憶はぼんやりとしていて、はっきりと覚えていない。
手を動かそうとするが、動かない
足を動かそうとするが、動かない
怖い…
怖い…
何かに捕まっているんじゃないか。
ここはどこなんだろうか。
不安が頭を占拠している
考えていたら眠くなってきた。
変な感覚だ。
今は考えるのをやめよう。
目を閉じると溶けていくような感覚に襲われ
意識が遠退いていった。
「こいつもう死んでるんじゃないか」
声がすると思い、目を開ける。
体が縛られている感覚は無いので
手を動かす
『小さ!』
自分の手は赤子のように
むにむにで小さい
そして俺の目には角の生えた男が映った。
また意識が遠退く。
今回は戻れないかも…