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プロローグ
とある小さな家で老いた男は自伝を書こうとしている。
その男は英雄、神、王と呼ばれ人々に尊敬されていた。
生まれは田舎の農家とも、貴族の長男とも噂され、本当のことを知る者は数少なく憶測が飛び交う。
男が成し遂げたものは多く、荒れ果てた土地に村を作り、国を作り、貧しい人には食料を、裕福な者には知識を与えたと言われている。
本当のことを知っているのは本人と、その仲間数十人であろう。
本当のことは自伝に書かれている、読んで男を尊敬する者、嫌う者、多くの感情が生まれるだろう。
男は自身のことを英雄だと思っていないし、神だとも思っていない、男のなかで自分は弱い存在。
・・・
自伝を書き終えた男は、人生の幕を下ろすように、そっと瞼を閉じる。
男は死んだ。
家族に囲まれてそっと、
世界の人目につかないところで。
こうして、世界は時代に一区切りつけた。
・・・
これは、世を変えた男の物語である。
読んで戴けて光栄です。
合間時間に読める物語にしていこうと思います