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やくもあやかし物語・2  作者: 武者走走九郎or大橋むつお
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083『別次元化された砂浜』

やくもあやかし物語 2


083『別次元化された砂浜』 





 フッ…………………あ、あれ?



 デラシネはスピードを緩めることもなく突撃して来たかと思うと、わたしとハイジをすり抜けて走り去ってしまった!


 なんかVRゲームをやっていて、キャラやオブジェが手応えなくすり抜けていくみたいだ。


 ただただ、呆然としてデラシネの後姿を見送ってしまう。


「あ、ひょっとして!?」


 ハイジがなにかに気づいて、焚火の跡に手を伸ばす……生焼けの木切れを掴むと、二つになった。


「「え?」」


 掴んだ方は、ちゃんとハイジの手の中にあるんだけど、同じものが薪の跡に残っている。


 ガチャガチャ


 ハイジが焼け跡を足でかき回すと、木切れはあちこち飛び散ってしまうんだけど、もう一つの焼け跡はそのまま残っている。


「なんだこれえ!?」


「次元がズレてる……」


「なんだ、それ?」


 あやかし慣れしてるやくもはピンときた。だけど、ハイジはまだ腑に落ちない。


「走ってるうちに、次元が微妙にズレた。この焚火と散らばった焚火は別の次元なんだ。見てて!」


 木切れを拾って砂浜にへのへのもへじを描く。


「なんか、切れ切れだぞぉ?」


「あっちの砂浜とこっちの砂浜が重なってるんだ。わたしらとデラシネが走って、砂が蹴散らかされた状態で重なってるから、向こうの次元の砂浜には描けないんだ。だから切れ切れになるんだ!」


「ええ……じゃあ、どうすんだよ?」


「どこかに切れ目があるはず、そこを超えれば……」


 言ってはみたけど、それがどこだか見当もつかない。



 フフフ( ´艸`)……ウシシ(*`艸´)……


 あいつらの笑い声がするけどムシムシ。



 日本にいたころ『合わせ鏡のあやかし』にやられたことがある(やくも・03『フフフフ』)。左右に果てしなくやくもが居て、同じやら左右逆やらに動いて抜け出すのに苦労した。


 ポケットに手を突っ込んで御息所たちを引っ張り出す。


 力尽きて寝てるけどかまっちゃいられない。


「ちょっと、起きて、大変なのよ!」


『ムゥ……まだ無理ぃ……』


 目をつぶって、赤ちゃんみたいに丸まってしまう御息所。

 

 ミチビキ鉛筆も思いやりもピクリともしない。


「こいつら、ダメなのかあ?」


「うん、さっき激しく戦ったからね……」


 仕方がない、無理を言ってるのはヤクモの方だ。


 優しく掴んでポケットに戻そうとしたら、御息所が、弱々しく自分のポケットを指さす。


 ポケットからマチ針の頭みたいなのが覗いてる。


「あ、受話器だ!」


「ちっちぇ」


 そうか、これは交換手さんの黒電話!


 激しい戦いで壊れたり無くしたりしないように、御息所は自分のポケットにしまっていてくれていたんだ!


 一センチほどの受話器を、ちょっと迷ったけど、とりあえず口のところに持っていって呼びかけたよ。


 もしもし……もしもし……




 

☆彡主な登場人物 


やくも        ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生 ミチビキ鉛筆、おもいやり等が武器

ネル         コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ

ヨリコ王女      ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁

ソフィー       ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師

メグ・キャリバーン  教頭先生

カーナボン卿     校長先生

酒井 詩       コトハ 聴講生

同級生たち      アーデルハイド  メイソン・ヒル  オリビア・トンプソン  ロージー・エドワーズ  ヒトビッチ・アルカード  ヒューゴ・プライス  ベラ・グリフィス  アイネ・シュタインベルグ  アンナ・ハーマスティン

先生たち       マッコイ(言語学) ソミア(変換魔法) フローレンス(保健室)

あやかしたち     デラシネ 六条御息所 ティターニア オーベロン 三方 少彦名 朝飯前のラビリンス くわせもの  ブラウニー(家事妖精) プロセス(プロセスティック=義手・義足の妖) 額田王 織姫 間人皇女 マーフォーク(半魚人) トバル(魔王子)  トバリ(魔王女)

 

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