ゲラゲラコンテスト用漫才 「信号機」
ボケ夫「夫でーす」
ツッコミ妻「妻でーす」
ふたり「ふたり合わせて夫婦でーす」
ツッコミ妻「あなた、早速突っ込みたい所があるんだけど?」
ボケ夫「突然なんだけど、君は堂々と信号無視する車をどう思う?」
ツッコミ妻「さらりと流したわね……」
ボケ夫「まあまあ、とりあえず君の意見を聞かせてよ」
ツッコミ妻「そうね、万死に値するわね。もしその車が信号無視したせいで、私の愛娘が怪我するなんて事があったらその運転手を末代まで祟るわね」
ボケ夫「物騒だなぁ……、君は。どうして君は物事を穏便に済ませられないんだい?」
ツッコミ妻「じゃあ、あなたはどうするのよ?」
ボケ夫「証拠を残らないように呪い殺すね」
ツッコミ妻「同じじゃないのよ!」
ボケ夫「まあそれは置いといて、信号無視をする車を減らすにはどうすれば良いと思う?」
ツッコミ妻「置いておくのね……。え……と、そうねぇ、防犯カメラを設置するとか、かしら?」
ボケ夫「緩いねぇ……、君は。だから、君は俺と結婚する事態になったんだよ」
ツッコミ妻「あなた、私のプロポーズ受けて舞い上がっていたじゃない」
ボケ夫「まあ、それは置いといて」
ツッコミ妻「置いとかないで」
ボケ夫「信号無視をする車を減らすには、信号機に生命を宿して、取り締まってもらうしか無いと、僕は思うんだ」
ツッコミ妻「何をメルヘンな事を言っているの? あなた?」
ボケ夫「まあまあ、ここは論より証拠。俺が信号機の役をやるから、君は信号無視をする運転手の役をやってくれよ」
ツッコミ妻「嫌よ! 何で私がわざわざ信号無視しなきゃいけないのよ!!」
ボケ夫「奥さん、娘さんがどうなっても良いんですか?」
ツッコミ妻「……しょうがないわね。娘のためなら、えんやこらよ!」
ボケ夫「俺、何だかんだ言いながら乗ってくれる君のそういうところが、大好きだよ」
ツッコミ妻「いいから、演るわよ! ……ブロロロー……、あ、信号が黄色から赤に変わっちゃう! でも、娘が私の帰りを待っているし、今なら大丈夫! 行っちゃえ!」
ボケ夫「ちょっおぉっと、待ったぁ!」
ツッコミ妻「キキイィ! な、なに!? 何か出てきた!?」
ボケ夫「俺は交差点の安全を守る赤信号様だぁ!」
ツッコミ妻「あ、赤信号様!?」
ボケ夫「そうだ、赤信号様だ! お前、今信号が赤なのに、交差点に侵入したなぁ! 危険な行為だと分かっての事かぁ!?」
ツッコミ妻「ご、ごめんなさい! ちょっと急いでて……! 見逃してはもらえませんか!?」
ボケ夫「駄目だ! 何人たりとも信号無視するやつはこの赤信号様が許さん! 覚悟しろ!」
ツッコミ妻「そこを何とか!」
ボケ夫「むっ! あいつ、車から降りて来やがって! そうか! 俺に手をあげる気だな! これは一番下っぱの俺の手にはおえん! 青信号先輩を呼んでこよう!」
ツッコミ妻「なによ? 勇ましく出てきた割には全然駄目じゃない。と言うか、あの赤信号、下っぱだったのね」
ボケ夫「えー、お待たせしました。あなたが、信号無視をした人ですか?」
ツッコミ妻「あ、いえ、信号無視をしようと思ったわけでは……て、あれ? 赤信号さんですか?」
ボケ夫「えれぇ? 違いますよぉ? 私は赤信号の先輩の青信号ですよぉ?」
ツッコミ妻「でも、赤信号にしか見えないんですけど……?」
ボケ夫「ああー! これはれすねぇ、お酒を飲んで、顔が赤くなっているだけれすよぉ!」
ツッコミ妻「何で勤務中にお酒を飲んでるのよ! 全然駄目じゃない! 他の人連れて来なさいよ! 他の人!」
ボケ夫「もー、うるさい人れすねぇ。今、上司の黄信号さんをお呼びするので、まっれれくらさいねぇ!」
ツッコミ妻「もう何を言っているのか、全然分かんない……」
ボケ夫「あー、大変お待たせ致しました。私が、黄信号です。どうやら、部下のふたりがご迷惑をおかけしたようで……」
ツッコミ妻「あ、いえ、迷惑をかけたのは……って、赤信号! どう見ても赤信号!」
ボケ夫「あ、顔が赤いですか? 申し訳ありません。今、私花粉症で目が真っ赤になりまして……でも大丈夫です。私、これでも立派な黄信号ですから」
ツッコミ妻「全然大丈夫じゃない!」
ボケ夫「ところであなた、なぜ信号無視をして交差点に侵入したんですか?」
ツッコミ妻「そ、それは、娘が一人で留守番を……」
ボケ夫「あ! 今流行りのニートを異世界に転生させるお仕事をしている方ですか?」
ツッコミ妻「全然違うわよ!」
ボケ夫「じゃあ万死に値しますね」
ツッコミ妻「何でよ!? ……大体何よ、さっきから!? 信号無視をする車を減らすのが目的なのに、運転手を諭さなくてどうするのよ!?」
ボケ夫「いや、だからさ、こうやって信号無視する車を間引けば……」
ツッコミ妻「何でその考え方にいき着くのよ!」
ボケ夫「君が最初に言った事だよ? 『万死に値する』って」
ツッコミ妻「そうでした……」
ボケ夫「とにも」
ツッコミ妻「かくにも」
ふたり「交通ルールは守りましょう! どうも、ありがとうございましたー」
今回、『ボケ夫』と『ツッコミ妻』にしたのは、『ボケ夫』の役の入れ替わりを分かりやすくするためです。