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ガンナー異世界冒険記  作者: Mobyus
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第90話

 少し遠くに見える木々の葉は既に落ち始めているのを見て、秋も終わりに近くなってきたな、と考えながらもローレンはリンベンへと続く道を歩いていた。

 今日で長かったような短かったようなガーランド伯爵の護衛の依頼は終わりだ。

 仲良くなった騎士たちのことを見ながらぼんやりと考えるが、やがてリンベンの町が見え始める。

 リンベンの町の畑は既に収穫を終えてその柔らかな土壌を露出させている。


 町の入り口へと到着すると、ちょうどリンベンの町長も出迎えに到着したところだった。

 ガーランド伯爵は馬車から降り、町長と話をし始める。


「...では2日間滞在しよう、その間に様々な議題で会議を行う」

「わかりました、町の者を集めておきますので...」


 伯爵は町長と話を終えると、ローレンへと振り返って近付いて来る。


「ローレン、短い間だったが世話になったな。君のおかげで有意義な訪問ができた」

「過大な評価です」

「謙遜することはない。私は本心で言っているのだ」

「ありがたき御言葉です」

「これが報酬だ。受け取ってくれ」


 伯爵は拳サイズの布袋をローレンへと渡す。重量感からして中身はすべて金貨だと思われる。


「え、いやこんなには受け取れません...」

「報酬については私が決めるとギルドから言われていただろう?それに、まぁ意地汚いと思うかもしれないが、君への先行投資としてこの額を渡そうと思ったんだ」

「...まだ行くとは決めていませんが...」

「いや、絶対に学園へと来てくれと言っているわけではない。君が冒険者を続けるにしろ、学園に来るにしろ、必ず私の領地で、連合王国で活躍してくれると思っているからだ」

「...買いかぶり過ぎです」

「ふははは、そうか。だが、私の目は間違っていないと、君がいずれ自ら証明してくれるだろう」


 伯爵は大きく笑い声をあげながらも、ローレンの目を見据えて話し、ローレンの手に金貨の入った布袋をしっかりと握らせた。


「期待している。例えどんな活躍でもな」

「...はい」


 ローレンも伯爵の目を見て、強い意志を以て彼に言葉を返した。


「では、君の依頼は完了だ。この封書をギルドへと持っていくんだ」

「わかりました」

「さらばだ、ガンナーよ。また会おう」

「えぇ、必ず」


 ローレンと伯爵は振り返り、歩き始めた。

 伯爵は1度だけ再度振り返り、ローレンの後ろ姿を見るが、秋の冷たい北風が吹き落ち葉が舞い上がりローレンの姿を隠す。

 やがて北風が止み、舞い上がった落ち葉が地面へと落ちていく頃には、ローレンの姿は見えなくなっていた。






















 昼を過ぎ、日が傾き始めた頃。ローレンはクラムへと戻って来ていた。

 それなりに急ぎ足でリンベンから戻ってきたローレンは、町の中へと入るとさっそく冒険者ギルドへと向かった。

 ギルドの中は夕方前の最も暇な時間で、ギルド職員や受付嬢たちはそれぞれ思い思いに休憩しているようだった。

 ローレンはその様子を見て、申し訳なく思いつつも、顔馴染みの受付嬢であるジーンへと話しかける。


「こんにちは。今いいかな?」

「あ、ローレンさん!お久しぶりですね!伯爵護衛の依頼を受けてたんですよね?終わったんですか?」

「う、うん、まあね。それでこれなんだけど、上の人に渡しといてもらえるかな?」


 ローレンは伯爵から受け取った封書をジーンへと渡す。

 ジーンは真面目な表情に直りそれを丁寧に受け取り確認すると、さらに緊張した面持ちになり、カウンターの奥へと消えていった。


 数分後、ジーンと中年のギルド職員がカウンターの奥から出てくると、ローレンに封書を手渡す。


「イルマでランクアップ試験を受けるときに、ギルドにこれを渡すといい。ガーランド伯爵に感謝するといい」

「いやぁ、ローレンさんすごいですね。伯爵様にいい意味で目を付けてもらえたんですから」

「え゛ぇ...(困惑)」

「それと、依頼は完了だ。ギルドへの貢献としてしっかりと記録しておくから安心してくれ」

「あ、あぁ」


 ローレンは無駄に高い評価を受けてしまっていることに戸惑いながらも、ギルドから出ていく。


 そのまま向かったのは、ダッソーの鍛冶場だった。


「ダッソーさんいる?」

「おぅ、帰ったか」

「弾はできてる?」

「もちろん、残りの70発だ」

「じゃあこれで50発追加で。それとグリシア鋼はこっちで出すからグリシア合金製の弾を5発」


 ローレンは金貨を出しながらダッソーに追加注文を頼んだ。

 ダッソーはまた忙しくなるのか...と言いたげな表情になるが、金貨と客を目の前にしてその表情を打ち消す。


「わかった。グリシア合金製の弾は通常弾と同じ火薬量でいいか?」

「うん、これ以上装薬を増やすのはちょっと危ないから」

「あいよ」

「それと次の銃の開発も頼みたいんだけど」

「お、おう?!いや、まあ新しい銃のアイディアも興味あるんだが、お前は俺を忙殺したいのか?」

「そ、そういうわけじゃないけど。それに急いで開発してくれってわけじゃないから」

「それで?どんなもんを作るんだ?」

「ソードオフショットガン」

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