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ガンナー異世界冒険記  作者: Mobyus
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第75話

 ガーランド伯爵は夕食を終え、町長たちと小1時間ほど話すと客間兼寝室へと向かった。


「ところで、ローレン。君のその背負っているものは武器か?」

「あぁ、これはショットガンっていう武器だね」

「槍...ではなさそうだな」

「これは火薬で鉄の弾を飛ばす武器だ」

「火薬で鉄の弾を?ふーむ。なるほど、面白い考えだな」

「以前軍にいた時に爆発物を扱ったことがあったけど、なるほど、その爆発力を使って弾を飛ばすのか。攻城兵器として使われる爆発物とはだいぶ違うみたいだな」

「ルフィナは以前王国軍に?」

「ああ、ガーランド伯爵に騎士にならないかと誘われる前は王国軍にいたぞ。前線で戦ったことはないが、日々様々な訓練をしていた」

「因みにガーランド伯爵も昔は軍にいたんだけどね」

「伯爵が?」

「前代ガーランド伯爵が亡くなる前は王国軍にいたんだよ。その時は私の上官だった」

「今騎士をしているのもその繋がりで?」

「あぁ」


「ところで、今日の警備だが、1人ずつ町長宅の外を警備だ。町の警備兵も町中の警備を強めているから変な輩は出てこないとは思うがな」

「わかった。順番は?」

「まずはローレン。次にルフィナ、トーマス、ライナー、そして私だ。これでいいか?」

「「「異議なし」」」

「問題ない」


 夜の警備を決めると、ローレンはさっそく庭に出てあたりを警戒する。といってもリンベンの町の警備兵たちが町長宅の周囲を固めているし、篝火も焚かれている。領主がやって来ていることを鑑みればそこまで異様な光景でもないが、ここまでして警備を固める必要があるのだろうか、ともローレンは思う。


 なにはともあれ、仕事は仕事だ。気を抜くことはできない。


 といっても、何も起こることもなく次の担当のルフィナが町長宅から出てくる。


「ローレン、交代だ。中に入って休んでいると良い」

「わかった」


 ローレンは町長宅に入り、応接間に入る。客間の中では床に毛布を敷いて寝ているトーマスとライナー、そして2つあるソファーの1つにテオが寝ている。ローレンは少し申し訳なく思いながらも、少し前までルフィナが寝ていたであろうソファーに寝転がる。

 トーマスが鼾をかいていてうるさいが、そこまで繊細ではないローレンからすれば寝るのに支障はなかった。


 眠っているとやがてトーマスが起きる。流石は騎士、ぐっすり眠っていても時間通りには起きれるようだ。

 否、ローレンは客間の窓から強い殺気を感じる。そこにいたのは外からトーマスをガン見しているルフィナだった。彼女の視線は強い殺気を帯びており、トーマスはそれによって起こされたのだろう。

 というよりも、視線にあそこまで強い殺気を纏わせている彼女はいったい何者なのだろうか。

 トーマスは慌てて外へと出ていき、数分後にはルフィナが客間へと入ってくる。数分間の間に何があったのかは聞かないほうが身のためだろう。


「あ、今ソファー空ける」

「いや、構わない」


 ルフィナはそういうと、もう1つのソファーで寝ているテオをさっきまでトーマスが寝ていた毛布へと突き落とした。

 ゴトン。と音がしたが、テオは起きていないようだ。彼は一体どこまで深い眠りについているのだろうか。


「いつものことだ。気にしなくていい」

「あ、あぁ」


 あまりの出来事に驚いてしまったローレンは眠れそうになく、荷物の中から手鍋を取り出す。そして部屋に置いてあったコンロのような魔道具で水を沸かす。

 つまみを押し込みながらひねると火がつく魔道具だ、魔道具の中では比較的安価で、商人や町長くらいなら普通に買えるくらいの値段になっている。

 燃料はモンスターの魔石らしいが、かなり燃費がいいため、1年ほどなら毎日使っても大丈夫なのだとか。


「ローレン、何か飲むのか?私にも淹れてくれないか?」

「紅茶だけど、いい?」

「紅茶か、しゃれたものを飲むんだな」

「ルフィナは紅茶を飲まないのか?」

「私は、子どものころから剣の道しか知らなかったからな、茶や食事にはあまり関心がなかったんだ」

「子どものころから?というと、父親が軍人か何かだったのか?」

「あぁ、既に私が生まれた時には退役していたがな。退役後は時々教官として兵を鍛えていたのだが、私が剣を握れるようになると毎日特訓の日々だった。不幸にも、私以外に子どもがいなかったこともあって、女なのに毎日、毎日、剣を振っていたのだ。そのおかげで今は騎士をやっているのだから、父には感謝している」

「そうか...うん、そろそろいいかな」


 ローレンは手鍋で湯を沸かして紅茶を2人分淹れる。客間に置いてあったティーカップに注ぎ、ルフィナへと渡す。


「ふむ、香りが良いな。だが...味はよくわからん」

「まぁ安い紅茶だしね。香りだけでもわかれば十分だよ」

「そういうものなのか...」


 2人はしばらく無言で紅茶を啜り、飲み終わると横になった。


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