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ガンナー異世界冒険記  作者: Mobyus
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第48話

「今日で鉱石が満載になったから明日はクラムへ戻りましょう。朝の早い時間に出れば、夕方にはクラムへ到着できる...かも?」

「途中で夜になるのはちょっと困りますね」

「そうだな、夜はモンスターの動きが変わるし、何よりも視界がな」


 ローレンたちは採掘が終り、キャンプに戻ってきた全員と話し始める。


「やはり朝の早い時間に出てクラムへ向かうしかないですね。途中で野営するにも戦える人数に対して護衛対象が大数ぎますし」


 ローレンの言葉に全員が首を縦に振るが、どのみちそれしか方法がないのだ。

 そもそも荷馬車の鉱石を減らして、キャンプに置いて帰るという方法もなくはないのだが、ローレンが思うにその方法では全員の稼ぎが減るため、賛成するものが皆無とはいかないまでも少ないことは予想できた。


「じゃあ今日は早めに寝ましょう。見張りはいつも通りでいいわね?」

「はい(おう)」







 翌日の朝、まだ日が昇り始めて間もない時間。荷馬車を引いてクラムへと向かい始める。キャンプに置いてあるテントや設備はそのままだ。ギルドからそのままにしておくように言われていたためだ。おそらくローレンたちが次の採掘と輸送に参加しなくとも、他の冒険者たちを送る算段なのだろう。








 4台の荷馬車。冒険者3人?その他何かしらの労働者多数。荷馬車の速度が遅く、大量の積荷を運んでいる様子だ。


「こんな辺境でこんな大きなキャラバンに会うとはなぁ?」

「へい、まさに天からの思し召しでしょうか、きひひ」

「ここらじゃ盗賊は少ないからな、護衛もたったの3人だぜ?」

「しかも女がいますぜ?こっちにもまわしてくれるんすよねぇ頭ぁ」

「へっへへぇ、お前にはもったいねぇくらいじゃあねぇかぁ?」

「頭ぁ、先回りして待ち伏せしやすか?それともここでいっきに強襲しやすか?」

「あぁ、冒険者がいるからなぁ、念のために待ち伏せだな、こんなちょろいシゴトでお前らに死なれちゃあ困るからな」

「「「へい」」」







「レナさん、気が付きましたか?」

「えぇ、こっちが気が付いていないと思ってるみたいねぇ」

「目的は...」

「略奪ね、蛮族よローレン!私さらわれちゃう!」

「レナさんならさらわれる前にあいつらを全滅させられますよ...」

「そ、そこまで私バケモノじゃないわよ!」


 ローレンとレナは気が付いているようだが、他の者たちは気が付いていないようで、キャラバンの者達は「なんだこいつら」といった目線で2人を見るが、2人の話を聞いて騒然とする。


「と、盗賊?!だ、大丈夫なのか?」

「えぇ、たぶん。数はそこまで多くないと思うわ」

「と言ってもこちらには4人しか戦えるものはいませんよ?」


 ジルラドがやや焦ったようにこちらの数的不利を説明するが、そもそもこんな辺境で活動する賊にそこまで戦闘能力があるとは思えない、というレナの言葉に納得する。だがそれでも不安な表情であることには変わりがない。


「僕とイヴァンで先行偵察して、奇襲して撃滅という案はどうですか?」

「そうね。キャラバンの護衛が減るのが心配だけど、ゴブリン程度なら最悪抗夫たちでもやれちゃうし」

「なんか物騒なこと言ってますが、レナさんとエリーがしっかり護衛してくださいね?」

「わ、わかってるわよ、ね?エリー」

「そうですね、もうゴブリンくらいならどうということはないです」

「じゃあ僕とイヴァンさんで行ってきますから、そちらは速度を緩めずに町へ向かってください。おそらく賊はどこかで待ち伏せしているはずですから」


 ローレンとイヴァンは先ほど見えた盗賊たちの方へと向かっていく。少し離れた茂みの中に複数の足跡を見つけ、それをただ辿っていくだけだ。


(お粗末な奴らだな、冒険者を舐めてるようにしか思えないな)


「ところでローレン、お前は人を殺したことってあるか?」

「と、突然ですね、イヴァンさん。もちろんないですよ」

「そうか、でもこれからあの盗賊どもを殺るんだぞ?」

「...」

「戻れなくなるぞ、人間やっちまったら」


 イヴァンは心配そうな顔でローレンの顔を見る。自分の弟でも見るかのような優しさの籠った視線は、ローレンには痛いほどよくわかった。そもそもイヴァンと2人でこうして先行しているのはエリーを血みどろの戦いに巻き込みたくないという思惑が強かったからだ。誰だって自分の妹に人間殺しなどして欲しくないはずだ。


「覚悟はできてますよ。冒険者やめるつもりはないんで」

「いいんだな?」

「あぁ、もう後戻りするつもりはない。モンスターだろうが、悪人だろうが、立ちふさがる者は殺す。これでいいだろ?」


 ローレンは目つきを変えて、視界に入り始めた盗賊団の背中を見据える。


「じゃあ、始めるか」

「戦うつもりなんてない、一方的に殺すだけだ。反撃なんてさせない」


 盗賊団との戦闘、いや、殺戮と言ったほうが適切だろうか、ローレンはもう戻れないところまで来てしまったのだろう。

人間を殺すことに対する考えは現代の日本とは違うにしても、それなりに禁忌であることには変わりのない世界です。ローレンはもう冒険者から足を洗うことはできないかもしれない。

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