第26話
ローレンはキャンプに戻り、テントの中に入る。レナはどうやら女性の助手のテントで寝ているらしい。
イヴァンがつい先ほど見張りを変わったため、3時間ほどしか寝れないのだが、それでも寝ないよりはマシだろうと思い、ローレンは寝袋の中に入って丸くなる。
「おい、ローレン、起きろ。交代だ」
ローレンはその声を聞いて、ハッと目が覚める。状況を理解するとすぐに起き上がる。
「あぁ、すいません。今変わります」
ローレンはいつの間にか寝ていたことと、あっという間に3時間たってしまったことに驚きながらもすぐに見張りに就いた。
だいたい夜中の3時過ぎか、すべてが寝静まってしまったかのように静寂が当たりを覆っている。3時間ほど前まで柔らかく吹いていた生暖かい風もいつの間にか止み、冷たい夜の空気を感じる。
空を見ると、雲と雲の間から、月が出ているのが見える。今日は曇りかな、などと考えつつも見張りに集中した。
3時間ほどしか寝ていないのだがあまり疲労感を感じないローレンは不思議に思ったが、あまり気にしないことにして、見張りを続けた。
やがて3時間たったことを砂時計が示す。とくに時間が過ぎたからと言って音が鳴るわけでもないのだが。ローレンはそれに気が付きレナと見張りを交代しようかとも思ったが、すでに日が昇り始め白み始めた空を見て、わざわざ起こすほどでもないかと思い見張りを続けた。
また、レナを起こしに行くと助手も一緒に起こしてしまうかもしれないという理由もあったが。
ともあれローレンは朝陽が見えてくるまで見張りを続けた。
「ローレン、なんで起こさなかったの?」
レナが起きて開口一番放った言葉はそれだ。
「いや、30分くらいだったのでどちらにしろ寝れなかったでしょうし」
ローレンは困り顔で答える。
そんなこんなで朝食を作りながら会話をする。今日の朝食も麦かゆだ。干し肉も一緒に煮込んであるため、塩気もばっちりあるだろう。
全員で麦かゆを食べながら今日の調査について話し合う。
「今回も植物サンプルの回収と鉱石サンプルの探査だ。まだ見つけていない植物もあるかもしれない、それと鉱石もできれば見つけたい、ダンジョンの鉱物資源は非常に優良なものだからな」
朝食を終えるとすぐに出発する。今日でダンジョンから撤収することが決まっていたため昼過ぎにはキャンプに戻る予定だ。
ダンジョンに入り1時間ほどで奥の崖付近までくる。今回は前回入った洞窟で詳しく鉱物資源などの捜索を行う。
ローレンは洞窟に入るとまずはお墓に外から持ってきていた花を供える。この世界でも墓に花を供えるのは一般的だ。レナは優しそうな目でローレンの様子を見ていた。
洞窟の中は薄暗く、外からの光がほんの少しだけ入ってくるくらいだ。そのため今回はランプを持ってきて照らしながら探索する。
すると、洞窟の端の方にさらに奥へと続く横穴を見つける。ローレンならかがんで通れるくらいの広さだ。
「これは...」
「ローレンなら余裕で通れるわね。私たちは這いずってならいけるかな」
「じゃあ自分が行きます。ランプを貸してください」
ローレンはレナからランプを受けとり、四つん這いになって横穴へと進んでいく。横穴は4メートルほどの長さで、その穴を抜けるとそこそこの広さの洞窟がさらに奥まで続いていて、若干ではあるが下り坂になっている。
「こっちは大丈夫です!かなり先まで洞窟が続いてます!」
ローレンは這いずって横穴を通っている2人に報告する。2人はそれに返事することができないくらい窮屈であるらしく、苦い顔をしながら横穴から顔を出す。
「ローレン、今はお前の小ささがうらやましいよ」
「ほんとね、私も小さくなりたい気分だわ」
「...」
ローレンは心の中でぶっ飛ばすぞこいつらと叫びつつも何とか抑えて先へと進んでいく。
ランプをレナに渡してショットガンを持ち、先方を務める。
「しかし、結構長く続いていますね」
「そうね、もう結構歩いたんだけど...」
そんなことを話していると、洞窟の先から光が差し込んでいるのが見えてくる。下に向かっているのに日の光が?とも思ったが、それが何なのかはすぐに判明する。
「これは...?天井が光ってる?」
ローレンは若干広くなっている洞窟の部屋のような場所で10メートルほど上にある天井を見ながら疑問を浮かべる。
「これは...確か他のダンジョンで見たことが...」
「というと?」
「ダンジョンって洞窟だったり、建物だったりするって言ったでしょ?そういったダンジョンは壁や天井が光っていて、ある程度の光源になっているの。ダンジョンがモンスターに配慮して明るくしているってことらしいわね」
「そうなんですか、じゃあここにもモンスターが?」
「そうかな、とりあえずここの広場で少し鉱物がないか探してみましょう」
レナの提案で3人はそれぞれが洞窟の壁に向かって鉱物を探す。鉱物は基本的に露出している物しか見つけられないが、もし露出しているものがあればそこを掘り進めたりすることで大きな鉱脈を当てることができる。
ローレンは明るくなっている洞窟の壁をしらみつぶしに探してい行く。すると、他の壁とは若干性質の違う壁を見つける。それに向かって持ってきていた小さなピッケルを振るう。
キィン、キィンっと金属質な音が洞窟内に響く。するとレナもイヴァンもローレンの方に駆け寄ってくる。
「おそらく何かの鉱脈だな。なんの鉱石かはわからんが」
「ローレンお手柄ね、この鉱石のサンプルを持ち帰りましょう」
3人は鉱石を掘り、拳サイズの鉱石を数個採取した。そこで今日は早めに戻らないといけないことを思い出す。本当は先に進んでみたかったのだが、依頼で来てるためしょうがないと諦めて戻り始めた。
ローレンたちは先ほど苦労して通った横穴から出て、墓の前へと出る。先ほどと同じように小さければよかったなどとローレンはからかわれるが、そんなことをしている場合ではないと、来た道を戻り始める。
外に出ると、日が真上に来ている。3人はまだ時間に多少余裕があることがわかり一安心するが、鉱石のサンプルを渡して何の鉱石か知りたかったので急ぎ足でキャンプへと戻った。
短い話を小出しにしてしまっている感が否めないですね。なるべく濃い内容にはしたいんですが、どれくらいの長さが読みやすいんですかね、コメントで教えていただけると非常に助かります。




