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ガンナー異世界冒険記  作者: Mobyus
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第98話

 ローレンとジャック、リンジーは3匹のオークを斃し、さらに森の奥へと進んだ。

 森は落葉広葉樹林、夏緑樹林でブナや水楢みずなら、カエデによく似た木々が生えており、地面には様々な種類の木の実が落下している。見たところ、大小さまざまなドングリや、毬栗が多いようだ。


「木の実がたくさん落ちてるな」

「あぁ?まぁ、そうだな」

「秋のこの季節、ウサギやシカ、クマとか、リスとか木の実を食べる動物がいてもおかしくないのに...」

「ローレン、どういうことだ?」

「...オークのせいで森の中の動物が減少しているんじゃないかな?」

「...確かに、森の中にある動物の痕跡が明らかに少ない。餌になりそうな木の実やキノコがこれだけあるのに、かじられた形跡も、糞も見当たらない...」

「この広大な森で野生動物が減少するほどにオークは食欲旺盛なのか...」

「俺が聞いた話だと、オークに襲われた村には、人間の死体は見つからなかったそうだ。その変わりに、大量の血痕と山積みにされた人骨らしきものが見つかったそうだ。村人は100人前後だったらしいが、襲われてから2日後には全ての村人が骨になって残されていたそうだ」

「...えっぐいな」


 ローレンは嫌悪感を隠すことなく表情に表し、オークの凶暴さを理解した。

 その襲撃ではオークの数は未知数だったが、オークは大きな群れだとしても30匹前後だと言われている。つまり最低でも1匹のオークが3人以上の人間を喰ったということだ。


「またオークだ。1匹、左前方だ」

「ローレン、頼む」

「わかった」


 考えるのを後にしたローレンは、ライフルを構えてオークへと銃口を向ける。

 距離はおよそ40メートルほど、狙いを定めて引き金に指を掛ける。

 銃声が森の中をつんざく。それと同時にオークは頭に銃弾を受け倒れた。


「ないすしょっと」

「あいよ」


 ローレンは弾薬ポーチからバラの銃弾を取り出して装填しながら、歩き始めた。

 ジャックとリンジーは先にオークの右耳を剥ぎ取り、火を着けていた。


「しかし、この距離を1発で撃ち抜くとはな」

「あぁ、俺も驚いたぜ。森の中でこれだけ正確な射撃ができる冒険者はそうはいない。以前会ったエルフの弓使いくらいだな」

「あぁ、あいつか。俺は苦手だったけどな」


 ジャックとリンジーはちょっとした思い出話をしているが、ローレンにはさっぱり何のことだかわからなかった。ローレンから見た弓使いというと、何度も一緒に依頼を受けていたレナだったが、彼女も50メートル前後なら正確な射撃ができていただろう。


「ともかく...ちっ、オークだ!数は3匹!こちらに走ってくるぞ!」


 何か言おうとしたリンジーが指した方向から、オークが3匹腹を揺らしながら走ってくるのが見えた。森の中を走っているため、オークの全力疾走とはいかないまでも、一般人の全力疾走程の速度で接近してくる。


 ローレンは持っているライフルを構え、狙いを付ける。森の中で木を避けながら走っているオークの動きは不規則で、うまく狙いを付けることができず、放たれた銃弾は木に当たってしまう。


 ジャックとリンジーは走ってくるオークを前にして散開、お互いに1匹ずつを相手取り戦闘を開始する。

 残された1匹はローレンに目を付けて走り寄ってくる。そのオークの目はご馳走でも見るような目つきで、口からは涎を垂らしている様子だ。


 ローレンはライフルからショットガンへと持ち替えて迎撃する。オークに肉薄され、攻撃を喰らいでもしたらタダでは済まないと考えて、慎重に立ち回る。

 ライフルで胴を撃っても1発では死なないほど生命力が強いオークに、近距離からショットガンを撃っても確実に殺せるかどうかわからないため、ローレンはある程度の距離を置きながらショットガンを撃つ。


 散弾はそのほとんどがオークから外れ、地面や木々に当たってしまうが、そのうちの何発かはオークへと命中している。だが、その厚い皮膚と脂肪は散弾を身体内部まで通すことはなく、致命傷を与えることはできない。

 ローレンはオークからいったん距離を取り、新たに1発だけ弾を装填する。以前開発したフレシェット弾だ。

 ローレンはショットガンをいつもより力を込めて構え、引き金を引く。強烈なマズルフラッシュが銃口から吹き出し、強烈なリコイルバックと共に尖棒が射出される。

 オークの顔に向けては放たれたフレシェットは、その半数がオークの顔に突き刺さる。オークは顔を押さえ、目や鼻、頬に突き刺さったフレシェットの痛みに悶え苦しみ跪く。

 ローレンは跪いたオークに肉薄し、ショットガンのストックでオークの頭を力いっぱいに殴り、ショットガンの銃口を、倒れたオークの顔面に突きつけて引き金を引いた。

 超至近距離(ゼロレンジ)から放たれた散弾はオークの頭部を吹き飛ばし、当たり一面に吹き飛ばす。頭部を失った首からはドクドクと血液が流れだしては、鉄錆の臭いを周囲にまき散らしている。


「すまない、ローレン。少し時間をかけすぎちまっ...」

「...これじゃあ討伐部位はなさそうだな...」


 オークを斃し、駆け付けたジャックとリンジーはローレンが斃したオークの死体を見て絶句し、苦笑いする。


「いや、俺ら前衛が時間をかけ過ぎたのが悪いんだ、すまないな」

「気にしないでいい。それよりも、早く剥ぎ取って焼いちゃおう」

「そうだな...」







「アァゥア゛ア゛ア゛ア゛アァ゛ァ゛ァ゛ァァ...」


 2匹分のオークの討伐部位を手に入れ、3匹のオークを焼いていると、男の絶叫が聞こえてくる。森の中に反響した絶叫の音量は異常で、それなりに離れた距離と思われるが、3人の耳にしっかりと聞こえていた。

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