お薬
お薬をがっちり囲って話さない坂田さてどうなるのでしょう?
男は坂田次郎宗治、女性はお薬は~いお薬だしときまね、とか
言われそうな名前だが、親が決めた名前である仕方ない。
男はひたすら女性だけを相手した。他の騎兵メンバー入れ替わりたちかわり
色んな女性を堪能していたのだが?彼だけは違った。
他の騎兵がそんないい女性なら俺にも相手させろと、男の寝ている間に
女性を連れ去ろうと画策したのだが、この男、抱き枕の様に女性を
ひたすら離さない。通常の男の100倍の力がある訳だから普通の男が
ニサン人束になったところで離せるものではなかった。
城の姫が全員妊娠した時、次の城を攻める計画が話あわれはじめた。
男はこの城を守る側の兵として、この城に残された。
あの女にイチズで姫の誘いも断る次郎なら、若君が種付けした姫様達に
手を出す事はないだろうと考えられたかららしい。
只一言「あの女には子は産ますな禍根が残るかもしれない」とだけ言われた。
自分の中に親同然だった坂田左衛門上清隆を殺した女性という負の感情が
どこかにある。負の感情というのは相手にも伝染するのである。
相手にも自分はいつ殺されるか解らないという形で現れる。
女性の子が男の子で将来、母が何時殺されるか解らないなら、その原因たる
男を先に叩こうと考えてもおかしくなかったからである。
女が妊娠を男に伝えたその時、男は女性のお腹にパンチを入れていた。
女性の足から流れる鮮血。
しかし、村に戻る事も出来ず、元々城つきの女性でもないので身をよせられる
自分の居場所が男のところしかなかった。女性は逃げませんでした。
よく水商売の女性で周囲に妊娠を悟られずに出産をする女性がいます。
外から全くお腹が大きい事がわからないのです。
お薬はそういう女性でした。
城の裏を流れる川の近くで一人で出産し子供を洗いました。
産んだ筈の子供がすうっと背中に消えたのです。
胎盤を川に捨て腰布ごと川にながしてしまいました。
子供を背中に背負うのはそこに、魔力だまりができるからです。
彼女は背中に収納を持っていましたし、魔力の本流を背中に貯蓄する術を
持っていました。子供がその収納内に逃げ込むとも知らず。
3話目投稿