現実.41
身体も洗い、洗濯も終えた。この暑さならすぐ乾くだろう。その間、書いた小説を読み返す。誤字やおかしい文章を手直し。パルキッツァはどうしてるのだろうか?医者が生きているならどこまでゾンビの事を解明出来たのだろうか?
これを志織が読む。脚色してる部分は少ない。
実家の時の話に、志織は言った言葉を書いてない。
[私の家族は居ない]
その言葉の意味は[私は家族が居ないけど頑張って生きてる。だからヒロも頑張って生きろ]だと思ってる。
書くべきだったか。でも違っていたら嫌だったから書かなかった。
あと、俺の身体が女から男になった時。ずいぶんとイケメンな顔立ちになっていた。志織は選んでたらしい。志織のタイプはこんな顔か。と、からかった事がある。デブとかオッサンは最悪でしょ。と志織は返した。もっともだと思った。
今は慣れたが、高校の時とかこの顔だったら人生変わってたと本気で思ってる。
確かに今の俺の顔は、キレのある整った顔立ち。隆々とした筋肉ではないが、鍛えてある身体。
両耳にピアスの穴。刺青はない。
あの辺りは飲み屋が多かった。ホストかナンパする若者がゾンビになってたのかもしれない。
これも書かなかった。書けなかった部分はこれ位。あくまでも小説なのだ。
志織に知られたくないから日記調にはしなかった。
別に日記でも書きたくない事は書かなければいいのだが、日記なら全て書かないといけないような気がしてるからだ。
俺は小説の続きを書く。




