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現実.35

結局、やる事がない夜と同じように、明るくなるまでゾンビを眺める。充電をしながら。


ゾンビは何らかの法則性があるはずだ。と注意しながら見るのだが、サッパリ分からない。

目標を定めたらほぼまっすぐに進む。だが逃げようとする時はきちんと迂回をする。


夜も強い相手には逃げようとする。

俺から逃げようとするゾンビの逃げ道を塞いだ事がある。扉のないトイレの一つに閉じ込めて、入り口に俺が立ってみた。

攻撃は絶対にしてこない。俺に触ろうともしない。ゾンビは周りを掴み破壊して逃げようとする。思い切り叩いたりはしない。はめ板を押したり掴もうとしたり、引っ掻いたりするだけだった。


そのうちピタリと動かなくなる。まるで擬死行為。死んだふりをする。触っても動かない。そのうち力を抜いたのか、その場で崩れ倒れる。俺が離れると数分後には起きだし動き出す。倒れてもずっとそばに居たらどうなるか分からない。そこまで時間をかけた事がない。


あれから三度、病院や研究所、大学病院を見かけたが、一切近寄らなかった。


どう考えても、研究されてしまう。俺はもっと明確なゾンビの生態を知りたいのだが、危険があり過ぎる。


幸いにも志織は今まで一度も熱を出したり怪我をしたりしなかった。寝不足で昼も夜も寝続けた事は何度かあったが、健康だった。しいてあげるならば生理がこない。肌が乾燥して多分、普通の女の子より硬い。あと、あまり身体的に成長してないような気がする。精神的には昔と比べたらずいぶんと明るくなり、実用的でない話もするようになった。それは余裕が出来たからだ。退屈だから無為な会話が出来る。必死な時は退屈という言葉は無縁。


三浦家の子供達と遊んでる志織は普通の少女だった。中学生なのに小学生と遊んでるのが楽しいそうに見える。それは知能的にはどうなのだろう?と考えるのは考え過ぎなのか?


だんだんと空が明るくなる。



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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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