表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/262

小説.44

[とりあえず、病院を見回ろう]

先生は廊下を出る。フルフェイスヘルメットをかぶるよう言われ、かぶり俺達もついて行く。

どの病室にも家族や五、六人の人間が居た。誰もが大人しくベッドにいるか座っている。

[残念ながら全員は救えないのじゃ。家族連れを優先にしとる]

怯えてるような子供。母親の心配する顔。

隣の病室から中年の女性が出てくる。

[カズヒコは、私の息子はどこに?]

先生に言い寄る。

[カズヒコ君は立派に、貴方方家族と人類の為に尽くしました。立派な息子さんです]

先生の言葉。

[そんなのはどうでもいいんです。息子をどこにやったのですか?]

女性は今にも泣き叫びそうだった。

[本来ならもう死んでるとこです。それに息子さんが居たから、貴方はここに住めるのです]

先生は病室を覗き、

[父親も弟さんも安全な場所で安心してるでしょう。ちゃんと栄養を考えた食事も出してるはずです]

先生の言葉になおも食い下がる女性。先生は病室に入りカーテンを開く。真下にはたくさんの人間達。

[またあそこに戻りたいですか?いつかはゾンビに襲われ無為な死を迎えますよ]

母親はしゃがみ崩れる。

[弟さんと旦那さんの事も考えてあげてください]

先生は母親の肩を叩き、廊下に出る。

ため息を付く。

[仕方ない事なんじゃ。もうこれ以上医者を減らす訳にはいかんのじゃて]

つまり何らかの人体実験をしていたという事。

先生は察したのか、

[ネズミやウサギではダメなのじゃよ。仕方ない事なんじゃ。目先の人間の命を取るか人類全体の命を取るか。どちらが正しいんじゃ?]

俺は黙ったまま。

[ワシにも分からん]

先生は気を取り直して説明し始めた。

[さて、ゾンビになる原因は、今までに発見された事のない粒子が人間の脳に巣食うのだな。それで人間はゾンビになる。その粒子は宇宙から来たのか、地中からか海底からか。元々、体内にあってそれが変化したのかは分からん。とにかく今までにない粒子が脳みそを喰べてゾンビになるのじゃ。喰べてという言い方はおかしいな。脳と化学反応を起こす。脳は固形化し、ほとんどの機能が停止する。つまり知能は低下。だがな、大脳辺緑系の部分は逆に肥大するのじゃ]


先生の部屋に戻る。ヘルメットを取りたまえ。と言われ、外す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ