表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/262

小説.42

多分、志織は寝たようだ。半目を開けているから分からないが身体は動いていない。

陽が明るいから発光加減では分からない。


手紙の内容が気になる。パルキッツァの言葉に東北なまりは無かった。

あの病院とどう関係あるのか?

デタラメのようだが、デタラメでもなさそう。なら必ず何かしらの接点があるはずだ。

その石なんとかが居ない可能性もある。

死んでしまってるのかも。

もし行方が分からない場合は。志織なら探すのか?いや、探さないだろう。病院の誰かに渡して終わり。それから実家に向かう。


実家にはもう誰も居ないと思い込んでいる。

居なかったら俺は逆に安堵するかもしれない。

居たら俺はきっと家族の面倒を見なくてはならない。志織の事も。


これから先の食料の調達と確保。食料生産が出来てもゾンビと他の人間から毎日守らなければならない。


守るのが当たり前。普通。だが俺はナゼか面倒クサイと思っている。


この冷めた感情は身体がゾンビだからか?

もちろん生きていて欲しい気持ちは強い。

生きていて、両親と弟だけで生活していって欲しい。

俺はゾンビの身体で皆に迷惑かかるから。とまた志織と彷徨う。その方が楽。そうしようかとすら思う。


家族の死に直面する方が辛い。それで居ない方がいいと思っているのか?


こんなに俺は冷たかったっけ?

元々、何に対しても希薄だった。欲がないというか、どちらでもいいというか。

幼い頃も凄く聞きわけのいい子と母から聞いていた。反抗期もなかった。ありのままを受け入れ、そのままで充分だった。

つまり執着心より、今その場を流されてきた。高校も部活や勉強に夢中な人を見ても何にも思わなかった。羨ましいとも、大変そうだなぁ。とも。ただ受け入れた。ああいう人も居るんだな。と。


やるべき事はやった。ソツなく、ヘマなく。勉強もそこそこ出来た。運動もマラソンで一位を。という欲もない。適度な着順でかまわなかった。恋愛も、気に入った女性は何人かいたが、別に行動には移さなかった。

それだけ好きではないんだな。と思った位だ。

多分今まで一番強く思ったり願ったりしたのは、志織を守る事。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ