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小説.37

出来る限り大きな町は避けて走った。

景色はビルが少なくなり、マンションの大きさも小さくなる。瓦屋根の民家が多くなる。


小さな町も大きな街もどこかしらで必ず煙が上がってる。

街は火事とゾンビ。そして隠れてる人間。


本当に空から日本を眺めてみたいと思う。


休憩。広い小高い丘の上。どこからでも丸見えだが、逆に誰か近付いても丸分かりになり逃げやすい。

志織は木切れにパルキッツァと書いて、バイクにぶら下げた。


地図を広げる。このペースだと二十時間も走れば。二日か三日で辿り着くだろう。


親が生きていればいいが。だが、生きてても志織を思うと素直に喜べない。志織は多分、家族愛を羨み妬むかもしれない。


志織は男に親は居ないとウソを言った。そう言えば、あの男の名前も俺達も名前を名乗らなかった。その事を志織に言ったら[パルキッツァでいいんじゃない]と言った。日本人なのにその名前はおかしい気もしたが、どうせ会う事はないだろう。


夜の寝る場所探し。バイクも隠せる場所でなければならない。

今は食料よりもバイクの方が欠かせない物になっていた。


山の中の小道の行き止まりにある空き地を今夜の寝る場所に決めた。


ポンプに長いホースを付けた。多分これで、普通の車からもガソリンが取れるはず。あとは、周りを見渡しながら、ゾンビを食べる。ゾンビをある程度刻んでから口の中に入れる。別にどこを食べもいいのだが、頭や腹わたを進んで口に入れる気にはならない。

気を付けて丁寧に食べても胸元や手や腕は血まみれになってしまう。

もっと汚さないで済む食べ方はないものか考える。水が少ないので大きな葉っぱで何回も拭き取る。

左胸の腐敗物が浮きでてきている。

これも何かうまい方法を考えないといけない。ブラジャーか…。



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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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