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現実.14
携帯から目を離す。
空を見上げる。適度に目を休ませないといけない。オーロラを綺麗だと思えるようになったのは随分経ってからだ。
やっと過去を振り返る余裕が出来て小説を書き始める事も出来た。あの頃は必死だった。
その前の過去は思い出さないようにしている。まるで前世の記憶かリアルな夢だったように思える。
退屈しのぎもあり小説を書き始めた。悪くはない。むしろ、この小説を書くのが今の楽しみの一つになってる。
書きたい事は山程ある。頭だけになった事。女の身体になった事。親友の事。地下鉄やトンネルの事。学校生活の事。
時間はたっぷりある。
ゆっくり書いていこう。
志織は面白い。と言ってくれた。
いつの間にか車の中の灯り…懐中電灯が消えていた。志織は寝たのだろう。
俺は横になり再び携帯を開いた。




