現実.130
聞きたくかった音が聴こえ始めた。あちこちで響き渡る銃の音。物がぶつかる音。車かマンホールか看板かを投げている音。大きな爆発音はしない。手榴弾や地雷、ロケットランチャーとかは使わないのだろうか?
[とりあえずダビデと合流しないとな]
屋上から探そうと考えつく。ビルの屋上にもチラホラいるぞ。とトニが言う。
だが、それはすぐに解決した。パルの顔見知りが俺達を見つけ、ダビデを呼んでくれた。ダビデは西洋の鎧を着込んでいた。全身血塗れな鎧はどこもかしこも凹んでいる。ダビデは誰よりも発光してる。
[赤色以外を全て倒せ]
ダビデはそれだけ言って再び元に戻ってしまった。志織の事も、状況報告も全く無しだ。
[どうする?合流するか?]
トニの言葉。俺は出来るだけ近寄りたくはない。でも実践をしなければ強くならないのは分かってる。それでも死にたくはない。
俺のダンマリでパルが助け舟を出す。
とりあえず後方援護だ。と言ってくれた。
大きな通り。地上のオーロラだと一目見て思った。
五、六グループだろうか?ポピュレーター一人一人に単色の色が付いている。赤、青、緑、紫。色の違う発光が入り混じりカラフルな発光群になっている。
ダビデとダビデのパペットがすぐ視野に入る。そこだけ明るい。ひときわ目立つ。
ダビデを倒そうとダビデを中心にさらに明るい。強い敵と強い味方が混ざっている。
赤色の豆電球に蛾や羽虫が群がってる。その豆電球に触れると次々死んでく。そんな光景。
志織を捜すが見つからない。赤色でより明るい発光体を捜してるのだが。
ダビデが次々と殺してく。ダビデのパペットと連携出来ている。攻守交代もさる事ながら、傷付ける役と確実に仕留める役。見ていて感嘆する。
パーティクルが地上や空中を舞い続けてる。ダビデはもちろんだが、近くにいるポピュレーター達も解放されたパーティクルを吸収していく。だから、ダビデの周りに敵も味方も多い。
そんな事よりも、援護射撃をする。
スコープを覗くとパーティクルが見えなくなるので視認してからスコープを覗く。撃つ。撃つ。撃つ。
車が飛んで来る。俺は後ろに下がる。
安全な場所を探し移動する。ダビデからどんどん離れてく。それでも撃てば当たる。これだけたくさんのポピュレーターがいるから、間違いなく当たる。その代わり数発撃つごとに、何かしらが飛んできて狙撃の邪魔が入る。
一際明るい緑色のポピュレーターを見つける。ダビデ同様、周りにたくさんのポピュレーターが集まっている。
集まってる。というより、たかっている。群がっている。と言った表現が的確。




