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現実.126

何丁かの狙撃銃と弾の入った鉄缶を担ぐ。弾はポケットに詰めるだけ詰めたのだが、危ない。と言われ鉄缶に入れ戻す。

トニがダビデのパペットを担ぎ、パルが大きなリュックを担ぎ、三人走り始めた。誰もが血まみれのまま。


ひたすら走る。途中、何人かのポピュレーターを見かけるも無視し無視され、昼も夜も走り続ける。

背中の鉄缶と銃がぶつかりカチャカチャと鳴る。なるべく鳴らさないように走ってみたりする。

体力と精神の疲労は無い。が、二日走って俺だけが遅くなる。足がおかしくなっている。足手まといの典型。

廃屋の屋上で身体を休ませる。パルとトニが遺体を持って来てくれる。俺が多く喰べる。


俺だけ後から向かうよ。とは行き先が分からないから言えない。

誰も文句も不平も言わない。トニとパルは辺りを見張ってる。ダビデのパペットは立ったまま動かない。

半日ほど休み、二日走り続ける。それを繰り返す。

真夜中、遠くが明るく見える。

[あそこだ]

パルが言った。パーティクルが霧散して空中を光らせていた。市街地を避けて森の中を進んでいたので、近くまで来てた事に気付かなかった。耳を傾けてみるが銃声は聴こえない。

トニが曲がる。森から市内へ。多分、摂取と休息と銃など武器の補充。


市内に入る手前のモーテルの屋上で休息。完全に回復しないと次いつ回復出来るか分からない。

俺は横たわりズボンを脱ぎ、力加減を気にしながら身体をマッサージをする。空にはオーロラが変わらず揺らめいでいる。日本で見たオーロラとなんら変わりない。

地上の現実は大きく変わっているのに。

ふとそんな事を思った。


ダビデのパペットが言った。

[私は行く]

俺は起き上がる。

彼女の目は力強かった。完全に戦闘モード。姿格好で判断してはいけない。という事を一目で分からせる雰囲気だった。

戦闘の中で産まれ育ったような雰囲気をまとっていた。


ダビデのパペットは屋上から飛び降りた。俺は彼女を眺める。物凄い速さで駆けて言った。


[さて回復しとこうぜ]

パルは彼女を全く気にする様子もなく言い、一緒に屋上から降りる。トニが二人の遺体を抱えて来た。二体とも女性の遺体だった。

[消化が早いからな]

トニは言った。



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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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