現実.122
トニと肉弾戦の練習をする。
トニが俺の右肩の一部分をナイフで突き刺し、クイっとひねる。俺の右手がダラリと垂れ、右腕が全く動かなくなる。持っていたナイフが落ちる。
股関節の近くの太ももを刺される。片足に力が入らなくなり崩れ倒れる。
[たいがいのポピュレーターはすぐに松果体を狙いう。攻撃パターンがすぐ分かる。刺してきたり掴んでくる腕がガラ空きだから、その腕をまず狙う。狙う所はここだ]
とトニは言いながら俺に頭を狙えと言う。俺はナイフでトニの頭を突き刺そうとするが、トニは俺の膝をナタで切る。俺の腕が切れて落ちる。
都市に居る時でも色々とレクチャーを受ける。
その場にある物で防御する。色々な防御方法を知る。俺は質問する。
[突然、目の前に隠れてたマシンガンやショットガンを持ったポピュレーターが現れたら?]
[それは死ぬ]
先に気付くしかない。
あるポピュレーター。首回りと口周りに金でできた太い輪っかを巻き付けていた。ご丁寧にダイヤモンドまで敷き詰めていた。
狙撃しても身体は傷付かない。
更に頑丈そうな鎧みたいなのとまとっていた。両手にはマシンガン。腰には何丁ものショットガンをぶら下げている。背中には日本刀を交差に二本挿していた。
[あれはどうやって倒すの?]
俺はパルに聞く。
[ガソリンかけて火をつける]
パルはサラッと答える。
多くのパーティクルを集めるには。
強いポピュレーターの仲間に入り、裏切る。
それが一番手っ取り早い。
俺ならそうする。それを実行出来るかは別の話だが。




