表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/262

現実.112

久しぶりに一人きりになる。

大きく深呼吸をする。

俺の武器が出来た事が本当に嬉しい。


ポピュレーターより視力が高い。目がいい。この利点を狙撃以外にも何か使えるかを考える。


双眼鏡で辺りを見渡すが、すぐに外した。ポピュレーターを見つけるなら裸眼の方がいい。発光してるからだ。

視野を広めて神経を張る。視界に動くのがあれば気付くように。


静かな時間が過ぎる。

はたして俺と三人のパペットをわざわざ狙いに来るだろうか。でも先程四人が来ていた。隠れる為に来たのか。俺達を狙って来たのか。たまたま見つけたのか。


志織達は速く走っても時速三十キロも出ないだろう。二十キロで一時間ちょっと。ここから約二十キロ先でもう志織達は戦っている。

すぐ近くではないが遠くもない距離。


サブマシンガンやグレネードランチャー。手榴弾。戦車。火炎放射機。

志織達はどうやって生き延びるのか?


日本を思い出す。日本は平和だ。よほどの事がない限り強力な武器は手に入らない。

つい一週間前は日本でノンビリと旅をしていた。

一気に違うジャンルの映画へ入った気分になる。


夢の中の夢とさえ思う。

近くで小鳥のさえずり。遠くからかすかに波の音。

平和な日本の海岸にいる錯覚を覚える。


転がってるポピュレーター。つまり人間の死体。慣れてしまった。

禍々しい銃や手榴弾。殺し合い。おそらくそれも当たり前になるのだろう。


独りの時間。色々な思考が浮かび交差する。現実が次々に変わるスピードについていくだけで精一杯。


このまま何事もなく一年が過ぎ去ればいい。一年。短いようで長い。左腕に汚れが溜まってきている。志織はどの部位に汚れが溜まるのだろうか。

志織はポピュレーターを摂取できるのか?


様々な想いや考えが次々と浮かぶ。

一番最初に考えるべき事。

この場所をより安全にする。


見渡す限り、膝下位の草が生えている。高い木はない。地面は水を吸って柔らかい。湿地帯。穴は掘りやすいが崩れる。


ワイヤーの罠を張るのは難しい。

落とし穴も無意味だし、むしろ狙いにくくなる。

手榴弾の罠を作るべきか。


小屋の後ろに行く。思い切り飛べば海に飛び込める。


とりあえず空の鉄箱を持ち出し、膝位の高さに並べる。弾除けのバリケード。うつ伏せになり隙間からライフルを構えてみる。悪くはない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ