現実.91
[俺達がシェーリーになれば大丈夫]
トニが言う。
[何の武器を使うの?]
俺の質問に、パペットのトニが腕の服をまくる。腕の膝から手の甲に鉄の甲冑みたいなのを着けてあった。
[それとこれ]
とゴツいメリケンサックを見せる。
。
[基本は切ってきたり殴られるのをコイツで防いで殴る]
パペットのトニはシャツを降ろした。
当たり前だがトニはきちんと考えている。
俺は甘い。
[まぁヒロもそのうち強くなるよ。別に飛び道具でもいいんだぜ]
トニのフォロー。
[俺の武器は何がいいかな?]
俺は志織に聞く。
[戦闘には向かない。でも慌てずに冷静に判断してるわ]
辛辣な意見だが志織は正しい。
[でも襲われたらどうする?]
[襲われても大丈夫なようにトニやパル、ダビデと組むのよ]
今まで人間やゾンビから身を守ってきた。これからは他のポピュレーター達から身を守るようになる。
志織はまだまだシェーリーになれない。トニもまだシェーリーになっていない。俺は全く役立たず。救いはトニのパペット。あとは合流するだろうパル。
果たして生き延びれるのか?
トニが慰める。
[いざとなりゃあ逃げ回るんだよ。駆け足はヒロの方が早いしな]
[エイはどうやって?]
俺は思い付いた疑問を言う。
[なんだ。エイを知ってるのかよ。エイはカーリーだからな。戦わずともパーティクルを奪えるのさ]
[どうやって?]
[自分のパーティクルで相手のパーティクルを覆い操るのさ。自分のパーティクルをすげー大量に使うけどな]
[なぁ、俺の中にパーティクル大量に入らないかな?]
[無理]
志織がキツく言う。
[なんだよ。その話]
トニが話に食いつく。
[あれはあくまでも私の想像。現実には無理。とにかく早くパルと合流しましょう]
志織がムキになる。話題を逸らす。つまり可能性はあるのだ。




