表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/262

現実.90

ならゾンビは?あれはもう人間ではない。襲ってくる。なら襲ってくる人間は?ポピュレーター達は?


俺は深い闇に落ちていく。それに志織が気付く。

[今は弱肉強食の時代よ]

志織の言葉で俺は浮かぶ。


俺の言い訳タイムが始まる。ライオンは可哀想と思いながら獲物を追わない。襲うのは、確実に仕留められる子供や弱った動物からだ。

遊びで襲うわけではない。生き抜く為に襲う。

でも俺は人間。でも動物の一種類。

志織と生き抜く。というのはエゴなのか?


俺の生き抜く覚悟はそれ位のものなのか?

色々な葛藤が心を支配する。

正しい答えはない。


志織は覚悟を決めたらしく[ここで回収するわ]と言った。


今回はトニが正しい。

どうせ刑務所の中のポピュレーターに回収される。ならば俺達が…だ。


足元に音。見上げると、刑務所の塀の上から無数の矢が降ってきた。

俺は志織にかぶさり、アロハのトニはパペットの黒人の後ろに隠れた。


塀から一人ロープで器用に降りてきた。ポピュレーターだ。

ソイツは背中の刀を抜いて両手に持った。二本持ち。

トニが聞く。どうする?と。

逃げるか戦うか?


俺は砂利を掴み、刀持ちのポピュレーターに思い切り投げつける。相手は飛び上がり避ける。俺は予測していたので片方の手で小石を指で弾きながら、再び砂利を掴み投げる。弾いた小石は剣で防がれるが、砂利の方は相手が着地した時に何個か当たった。トニのパペットも砂利を拾い俺の真似をする。


志織とトニに近寄せないように立ち回る。

[あの車の中へ]

トニは言う。

[罠かもしれない]

俺は叫ぶ。一台だけそこにある。明らかに怪しい。だが相手は近づいて来る。


更に二人が刑務所の塀からロープを使い降りて来た。あの軽々そうな動きはどちらもポピュレーターだ。


無理だ。俺は志織を抱え逃げ出す。トニもそれに気付きパペットがシェーリーのトニを担ぎ逃げ出す。


運が良いのか分からないが、追って来なかった。


[現実はこんなもんだな。仕方ない]

トニは言った。

[どうやって勝つの?]

俺は思わず言う。

ゾンビや人間なら勝てる。だがシェーリーやパペット相手は無理だ。身体能力はもちろんだが武器がいる。武器を使いこなせる腕と技術がいる。そして経験。


中国は武術の国。少なくとも日本よりも殺伐としてるだろう。とてもじゃないが襲うなんて無理。襲われても自分の事すら守る自信がない。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ