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志織の小説.13

ジェットエンジンからガスタービンエンジンに換えないとダメだとパルが言う。航空燃料が無いから治しても飛べない。

ガスタービンエンジンなら灯油でも飛べるとの事。


灯油を集め回りながらパーティクルも回収する数日。


最後の審判の日は、空からアイポが居なくなり、代わりにマンスゥが覆い尽くす。マンスゥはポピュレーターが自分の体内に集めたパーティクルをAZの元へ運ぶ。


それまでにポピュレーターから出来る限り奪う。

もちろん参加しなくてもいい。逃げまくってもいい。私はそのつもりだったが今は違う。


他のポピュレーターを見つけると私達は無差別に襲いかかった。

単独のポピュレーター相手には、なるべくヒロに経験させたい為に、皆はヒロのサポートに回る。

ヒロの成長はなかなかのもので、自分で工夫や創意を重ねて闘いの経験を積んでいく。


心配なのは精神面。元々あまり話さないのだが、中国に来てからさらに話さなくなっている。

私と二人きりになる時間がほとんど無いのも原因だと思う。


ある日、私達二人きりでパーティクルを回収していた時にヒロが弱気を吐いた。

[俺が足手まといだったらごめん]

と。

私は力強く説明した。

[ヒロといつまでも一緒に居たいからパーティクルを集めてるの。そうでなかったらこんなに集め回らず、日本でノンビリしてるわ]

私はなんとかヒロにこの気持ちを分かってもらいたい。


私は独りで生きてきた。それが普通だったし何よりも気楽だった。

私達ポピュレーターはAZと一つだと分かってるからこそ孤独でいたいと思ってる。私も同じだった。


でもヒロの存在で私はもう独りで生きるのは気楽よりも虚しく感じる。

今まで何人かの人間と一緒に暮らした事もある。だが長くは続かなかった。

私だけが歳を取らず、食べ物も痛みも共感できない。どの相手も嫉妬するか、世間から隠れた生活に嫌気がさすかで決別した。


ヒロは違う。私と同じ。


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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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