表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/262

志織の小説.8

四国に渡る前に、私の知らないポピュレーターがいた。パペットは狂っていた。

私とヒロに襲いかかる。ヒロにとっては初めての実戦。

ヒロは相手の人間離れしたスピードに最初は戸惑い防戦一方だったが、なんとか倒せた。

トドメを刺す時にヒロが躊躇する。それが命取りになる。ヒロの頭が潰れた。

てっきり私に襲いかかるものだと思っていた私は遅れた。

ヒロの意識がなくなったので、私はヒロと繋がる。私はソイツの頭を潰し返した。

ヒロの霧散してくパーティクルを回収する。が既に消散して集めた量ではこの身体を操るには足りない。

物凄く悩んだが、私のパーティクルを加える。

ヒロの頭の中でヒロに会う。

[分かる?]

[ここは?]

[ヒロと私の世界よ]

[どうなった?]

[ヒロは私を助けてくれた。アイツは還っていったわ]

[還るって?]

[AZのところよ。私もヒロも今の男もAZも全ては一つなのよ]

[ヨシオがいるよ。父さんも母さんも]

[えぇ、皆一つなの。この感覚を忘れないで]

[離れても一緒なんだ]

私はうなづく。

[ヒロは私の物でもあるし、私はヒロの物でもあるのよ。AZもパルもトニも。人間もゾンビも同じ。全ては一つなのよ]

[さぁ離れるわね。しっかり気を張っててね]

視野が明るくなり私の目の前にヒロがひざまづいていた。

頭も血まみれだが修復され元に戻っていっている。

ヒロが立ち上がり私を見る。

[俺の意識は?]

[しっかりしてるわ]

[違う。俺の考えや俺の想いは?]

ヒロは少し混乱していた。自我が出ている。

[もちろん、今思ってる事はヒロの考えよ。もし私やAZの考えなら、そんな事は決して言わないわ]

[ヒロはしっかりと自分の考えで行動しているのよ。もしヒロが嫌なら私を捨ててもいいのよ]

[イヤだ]

[その否定は誰の思い?私?]

[違う。俺がイヤだ]

[ほら、ちゃんと自分の思考じゃない]

そう、この問題は誰もが通る道。

操られてる。一度疑うと、自分を見失う。必要以上に疑心暗鬼になり、自我が崩壊する。言いなりの方が楽なので、自分を放棄してしまう。

[ヒロは何をしたい?]

[志織を守る]

[それは私が命令してるの?]

[違う。俺が守りたい]

このヒロの気持ち、態度、想いが私にはとても嬉しい。

私は血まみれのヒロを抱きしめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ