現実.80
[パーティクルの回収って?]
[えっとね]志織が少し考えてからまた口を開く。[AZが胞子のように自分の身体をばら撒いたのよ。それを回収するのが私達の役目]
[AZって?そもそもどういう設定なの?]
[地球は人間のものじゃなくAZっていう粒子の集まった個体群のモノなの。AZはパーティクルの集合体ね。でもAZは思ったり考えたりする事しか出来ないから、動力として人間を造ったのよ。人間という動く物にパーティクルという思考を組み合わせたのが私達、人間ってワケよ]
[面白いというより真実?]
[こんな設定あり得ないから小説なのよ]
[なんで人間を無能化に?]
[脳硬化?だってこのままじゃ地球がダメになるから。でも人間は必要。だからいったん人口を減らしてやり直す。っていう設定。どう?面白いでしょ]
志織は笑って言ったが、何がなんだか分からなかった。
[ずっと考えてたのよ。細かいとこまでね]
志織は追い打ちをかけるように言った。
[他にもいるの?]
[キャラクターは何人か居ないと掛け合いがなくてつまらない。小説は出来る限り現実味かつ誰もが思い付かないような世界観でないと面白くない。ってまぁ誰かの受け売りだけどね]
俺は何も言えなかった。
[あと数ページあるから読んでよ]




