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志織の小説.4

そんなに急いでも仕方ないのに。と思うもののパルから貰ったバイクで移動する。

それをヒロには言えない。ヒロは自分のミスや無力さを許せない傾向にある。それに自分の事よりも私の方を最優先にしてくれる。

ヒロも私も一つなの。と言っても信じないだろう。

私はヒロからは離れられない。ヒロは私の半身。

私は私をそこまで好きじゃない。でもヒロは私以上に私を大切にしてくれる。

つまり、ヒロの行動はヒロの思考からきている。そう解釈した。


ヒロの穴はヒロが意識を失わないと開かない。私が繋がるのはヒロが無意識の時だけ。ヒロが眠れば繋げられるかもしれない。


医者の思惑は最初から想定はついてたが、医者の話の方がヒロは信じると思ったから、ついて行く。

医者の言葉に間違いはあるものの、ほぼ当たっている。だがこの辺りまでの情報が人間の限界かな。と思いながら私は聞いていた。


誤算はまさか会って数時間も経たない内にヒロを解剖するとは思ってもみなかった。

翌日かと思い込んでいた。

私は夜にでもこの病院のパーティクルを回収するつもりだった。


以前のポピュレーターの身体なら、医者達を簡単に始末する事が出来るのだが、今はもうごく普通の人間の身体。

それでも油断させる位は余裕。問題はどうやってヒロを奪い返すか。ガソリンの場所はチェックしてあった。

ヒロは重くてとても持てないから頭だけになったところを見計らって奪回した。

ヒロの生存と復活のやり方。はるか昔に聞いたやり方を思い出す。私のパーティクルでヒロの頭部を覆う。ヒロのパーティクルは少なかったので助かった。多ければ足りないところだった。

次はヒロの復活。なるべく体格のいい男の個体を探す。どうせならカッコイイ顔の男がいい。充分メリットはある。吟味して決めてる間にも私を狙ってゾンビが集まる。パーティクルを回収する。目星のついた個体を壊さないように、かつ他の個体から回収するのに手間取った。

喉は乾きお腹も空いた。が飲み物も食べ物も探さなくてはならない。人間の身体は難儀なもんだ。と改めて思った。

ようやく目当ての個体に私のパーティクルを少し送り固定する。腹を割いて、ヒロの第三の目を押し込む。ヒロと私のパーティクルを解放する。ヒロの意識が戻ればこの身体はヒロが操れる。もし戻らなければ、私は何度でもやり直すと思う。


意識が戻り、バイクが無くなった事や私を危険な目に合わせた事でヒロは珍しく怒りに呑まれていた事に私は失敗したかと思ったが、ヒロの変わらない知能と感情に大きな安堵を覚えた。


歩いて青森に向かう。やはり地方は少しずつしか集まらない。でもいつかは集めなくてはならないから仕方ない。


ヒロの実家に家族は居なかった。死体も無い。家族の死が分からないなら希望が残る。ヒロの精神的喪失が思ってたより少なかったので一安心した。

この辺りはポピュレーターは居ない。この辺りに数週間居たいと思っていたらヒロが学校で休むと言い出す。助かる。


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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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