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現実.74

何年ぶりに人間の遺体を食べたのだろうか。ずっとゾンビばかりだった。

確かに身体の力が変わってるような気がする。体感が軽く感じる。

食べ終われば、罪悪感や嫌悪感は消え、意識と思考は今と未来に向かう。


やるべき事を考える。


服で血を拭き、ベランダから隣の部屋に入り鍵を開ける。三階の全てドアの鍵は開けた。

血が付くので、部屋の中は志織に見てもらう。

男の部屋は血まみれ。もう使えない。ベランダから下を覗く。道路にはたくさんのビニール袋と液体の入ったペットボトル。男の排泄物が入ってると思った。


人間の居る部屋を確認する時にこれは使える。俺は排泄しないから、すっかり忘れていた。


食料も水もなかった。確かに痩せていた気もしたが、うろ覚え。食べる前にしっかり確認しとけばよかったと後悔。


ウィスキーがある。が、身体を洗うには足りない。

未使用のビニール袋の束。たくさんの空のペットボトル。服。本。雑誌。医薬品がある。

この部屋を家探しする。

志織が戻って来る。

[住めそうよ]と言ってまた廊下に出た。部屋を物色してる最中だろう。

俺はベランダから二階のベランダに降りて、二階の窓から全てのドアの鍵を開けた。

荷台を持ち上げ、塀の裏に隠す。


水を探さないといけない。最近はマンホールを開けるようにしている。汚いが生活汚水は流れないので、身体を洗うだけなら大丈夫な場所があった。多分、雨の排水用にも使われてる下水道。

だが、ここら辺りのマンホールの下水道はどれも汚かった。


一度、部屋に戻り志織に身体を洗うのと飲み水を探しに行く事を伝える。

志織はポケットから鏡を出してみせた。俺はうなづく。


定期的に志織のいるマンションを見とけば、何かあった時に志織が鏡で光を俺に向ける。光の反射で俺は気付く。だが暗くなれば反射はなくなるし、民家やビルに入れば分からなくなる。気休めにしかならないが、損はない。


スーパー。コンビニ。デパート。ほとんど何もない。どの店舗にもあるのが、筆記用具。洗剤。雑誌。化粧品。

探し場所はオフィスビル。マンション。アパートに変わる。

家探しも人間が隠しそうな場所も探す事になる。

不自然な家具の場所や、屋根裏。床下。


後は飲食店。意外と倉庫に素材がある事が多い。加工しないと食べられないが贅沢は言えない。

片栗粉、小麦粉、麩、かつ節。海苔。醤油や油缶。未開封であればケチャップの缶詰など。

意外と穴場だったのが結婚式場。調理場がある。フルーツの缶詰やズッキーニなどの西洋野菜の缶詰があった。


一番行きたい所は、カップ麺製造工場や缶詰加工工場。場所が知らないし、今はもう何もないだろう。


時給自足出来る人間が今では一番強い。

食べられる野草の知識。自然薯や百合根。蛇や鳥の捕り方と食べ方。水をろ過する方法も知っていれば。


衣服や住まいに必要なのは山ほどある。

釘もカナヅチもノコギリも少し探せば見つかる。


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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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