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現実.64

ヨウジ君と話をしながら帰る。

三浦家に変わった人はいるか、それとなく聞く。ヨウジ君は、誰も普通の人だと答える。

変な人はいなかったか?とも聞くが、信長さん位だと。

志織に聞いた方が早い気がして、この話を終わらす。


ヨウジ君はあまり自分の事を話さない。だからなのか、俺の事を知りたがってるのに聞こうとしない。

俺の何が知りたい?と言ってみたが、別に大丈夫です。と答える。その割によく俺の顔を見る。コンテナハウスが見えてくる道路で俺は包帯を顔に巻いた。

[黙っててくれてありがとう。今日は大変だったね。ゆっくり休んで]と俺は言った。

ずっと居られても困る。たくさん考える事がある。

ヨウジ君は何か物足りなさそうだったが、大人しく帰ってく。


志織は当分ここに居るという。それまでに無線機と発電機を手に入れたい。ただ、そこまでして知りたい事なのか?自問自答する。

やりたい事をやるのはリスクが伴う。

危険を冒してまで知りたいのか?


知ってどうなる?

今まで知らなくても生きていけた。

仲間が欲しいのか?

確かにずっと孤独というか、皆と同じではない。という思いは強い。

ゾンビでもない。人間でもない。ある意味、別の生き物。


元々、独りの方が気楽だったが、それは皆と同じだから独りになりたい。という気持ちから。つまり独りに飽きたら戻れる保証があったから。

今は孤独に飽きても孤独のまま。

普段は大丈夫なのだが、負の感情や気が弱くなると孤独感は重くのしかかる。


諦めが早い。適応力がある。だが弱気の時の孤独感はいくら経っても慣れない。なんとか自分を誤魔化してるだけ。


一晩でも、ぐっすり寝れば治ると思うが、俺は寝れない。考える時間がタップリあるのも考えものだ。

何かに夢中になる。没頭出来る事があればいいのだが。


信長の事を考えたり、志織はどういう小説を書こうとするのか考えたりする。

なるべく、タオとかの事は考えないようにする。


志織にタオとシェーリーの話をした時、志織の態度に違和感は感じなかった。いつもと同じように黙って聞いてるだけ。


左腕が完全に治ってた。木にジャンプして登る。身体を動かし、その動きに慣れておこうと思った。

やるべき事を見つけた。

木から木へ飛び移る。木を掴めず落ちる。背中をしこたま打つ。

慣れたら落ちても大丈夫になるはず。

怪我はしない。しても治る。

すぐには慣れない。何回もやって慣れてくしかない。

時間はたくさんある。痛さも疲れもない。

俺はまた木に登る。



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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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