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小説.66

関東にだいぶ寄り道をしながら動いていた。まだ人間の少ない地方に居た方が危険は少ないだろうとの判断から。

秋は、自然の恵み。ブドウや梨や栗。それを栽培してる田舎よりの地方に居た。


田んぼに稲もあったのだが、刈り方や米にするやり方が分からず断念。


他の人間にも出逢うが、争いにはならなず、かと言って互いに声をかける事はなかった。食べる物、果物が豊富にあるからだ。

保存するにも保存の仕方が分からない。

腐る前に食べ尽くさないといけない。


水は小川の清水を飲む。しっかり加熱して飲ませていたがまだ暑いし、お腹の調子も悪くならず。そのうち加熱して飲む事を辞めた。志織は大丈夫だった。

それよりも冬をどう過ごすかが大きな問題になっていた。


最初は高速道路のパーキングエリアはどうかと思って向かったのだが、人間が住んでいた為に断念。


山の頂上の山小屋に住もうと思っていたのだが、すぐ思いつく場所は誰も考えてると思い、何個目かに考え出した誰もこなさそうな山奥のスキー場のホテルや民宿はどうか。になり、ある程度の目星を付け向かう。

道だった道。舗装されていた道路が草木でビッシリ生えている。これなら人が居なさそうだ。人が少ない地方はゾンビも少ない。その代わり、民家も店舗も、高いマンションすらなかった。

途中で無人販売所があった。野菜や果物を無人で販売してる屋台みたいな店だ。お客が品物を取り、お金入れにお金を入れる。良心に任せた田舎特有の無人販売所。そこに百万円の札束が放り込まれてあった。


数時間歩いても新しいゾンビに出逢わない時もあった。後ろからゾンビが絶えず付かず離れずにいるが。


街のゾンビの方がやや動作が速いと思う。歩き方や喰べ方が速い。

街からついて来たゾンビの方が、早く歩くので分かった。

発光度合いはさほど変わらないように見える。


三軒のホテルと小さなスキー場。ホテルはどれも古くさい。昔の寂れたホテル。綺麗なら風情がある。と言えるが今は廃墟。

薪で炊く風呂を謳い文句にした小さなホテルに決める。残り二ヶ所には人間が住んでいた形跡があったし、どちらも汚かった。


三軒ともめぼしい物が無くなっていたが、布団や室内着は有り余っていた。大型バスや車のガソリンはどれも空だった。だが、従業員が使うと思われるストーブには灯油が入っていた。

道路やホテルの荒れ具合からみて、一カ月は誰も来てないだろうと判断。

夜、一番大きなホテルの屋上から辺りを見たが、ついてきたゾンビ以外の発光は見つからなかった。

一冬を越すにはゾンビの数が少ない。数日間、住めるようにストーブ。服や布団、ロープ、ライター、ビニールシートなどを集めたりした。調理場には食べ物は一切なかった。誰かが既に持っていった。

残念だったがホテルの従業員や、このホテルを知ってる人はもうここに来る可能性は低い。という事。知ってるから早い段階で食べ物を探しに来たのだ。

入り口に大型バスを止めたり、机やソファでバリケードを作る。

ゾンビが共喰いをし始める。ゾンビを車の中に離して隔離した。いざという時の摂取用。


ゾンビは一体だと弱い。だが大人数だと一気に強くなる。これが夜も襲って来たり、走れたりしたら人間は絶滅していたかもしれない。

最初の頃、志織が寝てる間は考える事しかなかったから、この現実がもしゲームの世界なら…と何回も想定したりしていた。


ゾンビをうまく使って人力発電とかできないか。とか、ゾンビステーキとかありそう。倒していくと経験値がアップする。とか。

そもそもゲームなら…特殊なゾンビがでてくるはずだ。中ボスや大ボスが。


ゾンビになった主人公が少女を守りながらゾンビの発生源を倒しにクエストやミッションをクリアしていき、ラスボスを倒してハッピーエンド。

まぁテンプレだろう。

だが現実は違う。生き延びるだけ。特殊なゾンビは居ないし、ボスゾンビも居ない。いつかは再び人間の世界になる。生き延びてハッピーエンド。

その後は?俺はゾンビのまま。生き延びた人間は人間の生活に戻れるだろう。俺は?


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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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