表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/262

小説.62

どうだった?と聞かれる。全部開かなかったが鍵を見つけた。と答える。どこ?二十九階から上の部屋のどれか。と答える。


心配かけさせてしまった。下まで降りたから、ついでに少しでも役立つ物を探しに行こうかと思ってたが、辞めて正解だった。


何階だと思う?俺は聞いた。四十階。志織の答え。

先に四十階に行く。一番奥の部屋のドアが開いた。

なんで分かったの?と俺。適当。と志織は笑って言った。


部屋には誰もいない。居た形跡もなかった。食べ物はなかったが高価そうな靴をはじめ、立派なドレッサーにブランドの香水、化粧道具。衣装スペースには大量のブランドの服。女優かモデルか、金持ちの愛人か。とにかく金持ちの女性が住んでた部屋だった。志織がここに住みたいと言う。もちろんうなづく。


水はミネラルウォーターが大量にあった。英語のパッケージ。多分この水も高価なのだろう。

風呂場来て。と志織。行くと風呂場というよりバスルーム。豪華で広かった。水が出ないのが悔やまれる。

それでも志織は身体を洗いたい。と言う。どうぞ。と俺はミネラルウォーターの一箱をバスルームに運ぶ。

もったいないが、志織が入りたいなら仕方ない。


志織は長い時間バスルームにいた。様々なボディソープやケア用品があった。楽しんでると思う。

シルクのバスローブが何着もある。タオルもきっと高級品なのだろう。


俺は食べ物などを探す。栄養補助食品が大量にあった。多分、健康より美容の為と思われる補助食品だろう。そしてベッドの下のヴィトンのトランク。開けると札束。数えると四千万円。

ドレッサーの引き出し。指輪にピアスにネックレス。どれも高価だと思える。

鍵のかかった扉。無理やり引っ張る。開かないが、この部屋で一番価値のある宝石かなんかだろう。

今は同じ引き出しの下にあったサプリメントの方が価値がある。ほとんどがビタミン系。こっちの方が本当に助かる。


志織がバスローブを着て出てきた。下着も凄いの。と何故か嬉しそうに言った。俺は履くの?と冷静を装って聞く。大きくて履けない。と志織は、はにかみ笑った。

多分志織も恥ずかしいのだろう。それでも見せたいし、聞いて欲しいみたいだったので会話を繋げた。


俺は札束を見せる。アクセサリーの棚を開けて見せる、志織はやはり女の子。アクセサリーの方に文字通り、飛びついた。

ここに住める間はここに住もうと思った。

俺の喜びは志織が嬉しく楽しんでる時だ。


ベッドも深々で、こんな世界にならなければ、多分一生住む事がない部屋だと思った。志織なら可能性があるだろう。


色々な写真が出て来た。この部屋の住民の顔だろう。俺も志織も知らないがきっとモデルだ。綺麗だった。


ポルシェの鍵も見つけた。ポケットに入れる。


俺は最上階から荷物とカップ麺を取りに行く。日も落ちて暗い。廊下から下を覗く。真っ暗だった。高い崖の上に立ってるような感覚に陥る。もっと下に降りないと分からない。火事は見える範囲ではなさそうだ。また志織が心配するかもしれない。この部屋の家探しも明日にしよう。と俺は志織のいる部屋へ戻る。

志織はベッドで寝ていた。多分ぐっすり眠れるだろう。ぐっすり眠って欲しかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ