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小説.59

途中、病院に寄ろうと思ったが辞めた。

あそこは志織がガソリンを撒き火事にした。きっと何人かは死んだと思う。志織に思い出させたくない。負い目を感じさせたくない。


何ヶ所か学校や市役所に立ち入る。どこもかしこも何人かは住んでいて、俺達に荒々しい言葉や石を浴びせた。

大きな街は火事で大半が焼けた跡だった。

それでもゾンビの数は多い。


地下鉄の入り口は車やバイク、看板などで塞がれている。ゾンビを入らせない為か、出さない為かのどちらか。


昼間の時間は、ゾンビと俺と志織の世界になる。場所は限られるが、食料や生活用品を探し放題。取り放題。


ビルやマンション、アパートは、人がいる可能性が高いが、駅や何十階建てのビルには人がいない。駅はゾンビで溢れているし、何十階建てのビルは階段からしか上がらないので、一苦労どころか、時間と体力を使う。

ドアはセキリティが万全で、俺の力をもってしても開かない。糸のこを入れる隙間もない。

ベランダから入るしかないが、リスクがあり過ぎる。いざとなれば入れるだろうが、他を探した方が簡単。手軽。


一般の住宅にも人間はほとんど居ない。ゾンビにさえ注意すれば、くまなく家探しが出来る。

冷蔵庫は開けない。

歩いてる時に、ときたま民家の中から爆発音が聞こえた。不思議に思って調べると冷蔵庫が破裂していた。

冷蔵庫は中からは開かない仕組みになっている。中身が腐り発酵し膨張し爆発する。冷蔵庫や冷凍庫は時限爆弾と化していた。

それが分かってから台所を漁る時は冷蔵庫を真っ先に開ける。すごい腐臭が漂うが、俺は匂いをあまり感じないが志織は絶対近付かない。


火事は、小さな町の方が被害が大きい気がする。多分だが、プロパンガスや風呂燃焼の灯油。それで余計に燃えるのだろう。

大きな街の住宅はほとんどが電気。ガスや灯油を使わない。その差だと思う。


ガソリンスタンドが燃えていないのが意外と思った。かなり火気には大丈夫なように建築されているのだろう。

映画みたいに爆発、炎上にはならないようだ。



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ゾンビサバイバル.番外編も書いてます。
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