31/36
竜神五月蝿い
「ねぇ、竜神。」
「どうした?」
「やっちゃったね。」
「…後始末はあいつらに任せとけばいい。」
「竜神は、神使いが荒いよね。
…だからあの神達にストライキされたんじゃないの?」
「言い返せない。けど自分は憎くない。反省もしない。」
「反省はしようよ。少なくとも、反省しなかったからこの有り様なんじゃないの?」
僕は周りを見回す。
そこには、有った筈の豪華な王宮もそこを中心に広がっていた王都も無い。一面焼け野原である。
…勿論、竜神と僕が暴れたからなんだけど。い、いや、違うよ!前回の壊れかけてた僕は王都の二割も壊して無いよ!
人も居ない。王都ごと全員殺してしまった。いや、ロストは残してた。神父さんや子供達は、多分大丈夫。どっかに竜神が転移してくれたから。
けど、やり過ぎたかな。
正直あの時の僕は狂っていた。
覚えている。反省もしている。
けど、あの感覚は愉しかった。
麻薬の様に僕を蝕むんじゃ無いかと心配になった。
そして、どこで間違えたんだろう、と地面に座りあぐらをかいて頬杖をつきながら思い出していた。
「最初からエピローグって変だな。」
「竜神五月蝿い。」