ゲームマスター
「…ん。」
ん?なんだ?
「す…ま…ん。」
え?何?
「すいません!あの!」
うるさいなあ!
ブチッ
臍の緒、じゃあ無くて堪忍袋の緒が切れた。
「疲れたんだから、もうちょい寝かせろや!竜、神?ってあれ?
声が違う?」
「良かった。やっと起きてくれましたか。「うわぁー!」えっと、大丈夫ですか?」
・・・・
僕は竜神と会った時の様な場所でベッドに寝ていた。ベッドは宿のベッドと同じ様だった。
まあ、僕に喋りかけている人、いや、多分神は。いや、絶対神だ、感覚が竜神と同じだった。やっぱりイッケのメーンだった。何言ってるんだろう、僕。
ってまさか。今度こそ異世界転移か転生の、チャンスなんじゃ?
「だ、大丈夫?」
「あ、はい。」
ちょっと気を遣われると、神は真剣な目をして言った。
「一つ言いたいことが有ります。」
「は、はい?」
くそバカ
「うちの 創造神 が迷惑かけてすいませんでしたぁ!」
「え?どういう事?「竜神と会うのは夢でした。」とか、「貴方はこれから転生もしくは転移します。」とか言われると思ったんですけど。
……やっぱり竜神は、存在するの?」
「残念ながら。」
「それはひどいんじゃないかな?」
最後に言ったのは、いつの間にか隣にいた、もんのすごい美女だった。
「あ、ロウ様。恵一さん、この神は大丈夫ですからね。安心してください。」
「え?え?え?え?」
「えっと、ボクはロウ=ゴッド。前創造神だよ。」
「は、はぁー?」
何が何やら全く分かんない。
てか、前創造神ってどういう こっちゃ!
つうか、ロウ=ゴッドってなんやねん。神だからゴッドって?HAHAHAHAHA!僕っ子かよぉ~!
そういや竜神何処に行ったんじゃボケ!
「あの、混乱している中申し訳ないのですが、自己紹介をさせていただきます。
私は全能神のファーストと申します。名前は竜神様が、「お前は一番目に作ったからファーストだ!」と無理矢理決めました。」
はぁー!?
あいつぅめ、何しとんじゃボゲィ!
マジで竜神何処にいんだよ!
「くそ竜神め!何処にいんじゃボゲィ!」
あ、口に出ちゃった。
「ええっと、竜神様なら貴方の中で寝ていますが?」
「へ?」
「私は貴方を宿のベッドごと、拾って来ましたから。」
「ご、ゴメン。ちょっと待って。、、、、、、、、、、、、、よし、説明お願い!」
「はい、この世界に何故拉致ったかと言うと、「やっぱ拉致ったんだ!」(中略)ということです。」
「へぇ~そうなんですか。(頭の中にイメージが伝わってきた。気持ちが悪い。)」
うん。まとめて簡単に言うと、
竜神が気に入った僕に興味があって、何故僕を選んだのか?ということを観察して考えたかったから。そして、ちょっと神の色々な事を教えたりするため。だそうだ。
そして一つ、言われたことがあった。
「貴方は竜神様に体をいじくられました。そのせいで、心にまで影響が出ています。なのでちょっと、この注射を受けてください。」
取り出されたのは、アニメとかでよく見るような、めっちゃデカイ注射器だった。
その瞬間、僕は逃げる事を決めた。
「いや、無理無理無理無理!
死ぬ死ぬ。死ぬから!」
と言いながら逃げる僕と、
「大丈夫です、ちょっっっっとだけ痛いだけですから。我慢してください。」
「そうそう、大丈夫大丈夫。(笑)」
と言いながら追いかけてくる二人、いや、二神。
「そっちです!ロウ様!」
「あいあいさー!」
「ひぃ!前創造神を顎で使ってる!」
「勝てないんだよね、ファーストには!」
前創造神なのに!?
「まあ、私は全知神の相方と一緒に戦っても、竜神様には勝てないんですけどね。」
「そりゃそうだ!あの神、チートもバグも通り越して、ゲームマスターだし!ズルすぎる!」
「まあそうですよね。」
「ボクもそう思うけど。……はぁ、竜神に会いたい。………そろそろ捕まってくれないかな?」
「嫌です!マジで死にたくないんで!」
この追いかけっこは、一時間後に、終わった。




