#02 世界と人類
「世界の現状...ってどういうこと...」
少し時間が経って冷静になったが、結局最初に出てくる言葉はそれだった。
普段私たちがたとえとして使っている”世界”と、この液晶画面に映し出されている”世界”とでは、重さが違う様に感じられた。
高校生にはあまりにも重すぎる”世界”だった。
ふと液晶画面に目を移すと、先ほどまで映し出されていた文章が無くなり、別の文章が新しく映されていた。
少し怯えながらも、私はその文章を読んだ。
現在、世界はこの人生攻略サイトを賭けて世界規模で戦争が行われています
このままでは一年も経たずに人類は絶滅を迎えます
「はっ...?嘘でしょ...そんなの...いやいやいやいや、そんな事ある訳が...」
私は書かれてあることを震えた声で否定した。
こんな事は有り得ない。いや、有ってはならない。こんな馬鹿げたサイトを世界が信じる訳がない。
私はこの現状を脳内機能全てを使って整理した。
すると、この現時点で気がついた事が一つだけあった。
何故私はこんなに必死で否定しているのだろうか。
馬鹿げている、と先ほど私は思った。だが、馬鹿げているのならそれこそこのサイトを無視すれば終わる話だ。
なのに私は必死になって否定した。
だが、それは私の「思考」「感情」ではなく「本能」「直感」が否定していた。
昔から私の直感はよく当たる方だと自負している。ならば、やるべき事はただ一つだ。
嘘だって構わない、ただ...やらなきゃいけないから。
「やってやるよ...世界が、人類がこのまま終わるって言うなら、私がこの戦争止めてやろうじゃないか」
その日、その時...私は世界を救う事を決断した。