第21話 出発
かなり短めです。
そのため次話で勇者サイドの閑話をやります。
俺たちは今馬車を買いに来ている。
「こちらの馬車が衝撃緩和機構が装備されており、内装も座席にクッションが縫い付けられていて長旅などの疲れが溜まりにくくなる仕様になっております。また扉がついており、エルダートレントと黒鉄石を使って車体が作られています。当店にある中ではこちらの商品が一番の品かと。外装の華やかさには欠けますが実用性に特化しています。何と言っても噂の稀代の錬金術師が協力して製作したものなので品質は保証いたします。どういたしますか?」
んー…聞いた話じゃ中々良い品だな。しかし稀代の錬金術師か。そんな奴がいるのか。
「これを馬に引かせることは出来るのか?相当重そうだが」
「問題ありません。ただ、ローグホースじゃないと引けないですね」
それ馬じゃないじゃん!魔物じゃん!
ローグホースは簡単に言えば筋肉ムキムキの馬だ。足が速く持久力もある魔物だ。実際に見たことはないけど。
「まあ、そのくらいならいいだろう。いくらだ?」
「はい、こちらは金貨15枚となっております」
「少し高いな、金貨10枚」
「こちらは稀代の錬金術師が協力して作った新作にございます。新機能がありますのでそれ相応の値段になっております。金貨14枚です」
「新機能だろ?それが実際に使ってみて実用的なのかは分からんだろう。金貨11枚」
「うぐっ…。ですが、素材などを加味すると金貨13枚が限界です」
「仕方ない。ではローグホースをつけて金貨15枚でどうだ?」
「はぁ…ではそれで。うちにはローグホースは1匹しか居ないので今からお連れしますね」
そう言って疲れた顔で店主は奥へ引っ込む。
「すごいやりとりでしたね」
「金があるからと妥協していたらすぐに金は無くなる。数あるものは使っていればいつか無くなるというものだ」
「すごく為になる言葉ですね!」
「…やめてくれ……」
そんな会話をしながら馬車と馬車を引く馬(魔物)を購入した。
街で旅に必要な物を買い足してから宿に戻る。
そして女将さんに声をかける。
「すまん。明日にはここを発つので残りの日数分の金で作れるだけリリィでも食べれるようなものを作ってくれ」
「あいよ」
その日は夕食を取り、女将さんから約束の品を受け取りシャワーを浴びて床についた。
翌日、俺たちは昨日馬車を買った所で馬車と馬を受け取り街の門を出ていた。
御者に俺が馬車の中にイリスとリリィが乗っており、馬車の中は2人が乗っていてもなおスペースが有り余っていた。
2人は御者席と馬車の中を繋ぐ窓からこちらを覗いている。
ここから迷宮都市メラーまでは村や街を2、3つくらい経由して行く。馬車でどんなに急いでも15日ほどはかかると言われたのでゆっくり行けばいいだろう。
俺たちは途中出てくる魔物を倒しながら、迷宮都市に向けて旅立った。
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