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ぼくの詩集

チュートハンパ

作者: 桜井あんじ

長生きしたいと 別に思ってないけれど

今すぐ死ねって言われたらちょっと困る


あり余るほどではない想像力 使いみちなく 持てあます

自らなにか創造するほどの 自信はなし


時間がないと焦るけど 行動せず

どこかで まあいいや 思ってる


その他大勢のひとりになるのは 悲しいけれど

皆からはぐれてしまうのは嫌


「普通」はつまんないけれど

「変わってる」は怖い


ひとりぼっちは寂しいけれど

集団は苦手


やりたいことが あるけれど

ほしいものも あるけれど

ダメならダメで しょうがないか あきらめよう


言いたいことがあるくせに

言わない

じーっと黙って

相手が察してくれるのを 待つ

察してもらえなかったら

やっぱり 言わない

家に帰って こっそり主張 誰にも聞かれないように


やめちゃった習いごと

書きかけの絵

途中まで作ったおもちゃの模型

飽きちゃったゲーム

太宰治全集は「人間失格」を途中まで読んだだけ

そしてとりあえず どこかに通う毎日


中途半端なぼくは

中途半端なだけに

ずっと中途半端に 中途半端なまま

中途半端な所に い続ける

中途半端なこころ 何かに 残したまま


薄ボンヤリとした霧のなか 中途半端に佇む

悲劇を喜劇にしてしまうこともできずに

叫びは喉元に引っかかり ぶら下がる

ぼくは


愚者になるのが 怖いのだ

悪者になるのが 怖いのだ


だけどその代償に この閉塞感!

ああ ぼくはもう やめた!


なりふり構わず 極端な人になろう

一心不乱になろう

空気読めない人になろう

北島マヤみたいになろう

皆に迷惑をかけよう その分 何かべつのもので返そう


そして日本中で少なくともぼく一人は そんなぼくを好きでいる のだ

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