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ドラハウス☆  作者: 希望
6/10

~レベル6~Suikun18歳~


正直同じ中学の女の子と付き合ったことはあるが、カップルらしいことをしたことが無かった。

男子校に言って、周りの男子は背が伸びる中、俺だけ171センチ。結構コンプレックスだった。

美紗緒は正直同じくらいの身長か少し俺より低かった。


その時の俺は、美人に手を握られたというよくわからない高揚感と、この女は絶対に危険だという気持ちが混ざって

何も正しいことが判断できなかったんだと思う。だから、言われた通り、週に2,3回、廃棄する食品で美紗緒の要望があったものを

持って帰り、近くの公園で渡していた。ぶっちゃけ今でもそれが何に使われたのかは知らない。

何も聞かない、いや、聞けない俺を、美紗緒は都合の良い人形とでも思っていたんじゃないかと思う。


たまに、美紗緒は欲望のままに動いてた。いきなり俺の首元を噛んだり、俺の胸に頭をうずめたりしてた。

怖くて、自分たちの関係も聞けなかったし、美紗緒が何をしているのかも、よくわからなかった。

ただ、前よりも美紗緒は痩せたと思ったし、情緒不安定で儚い感じを受けてた。

電話はいきなりかかってくるが、メールがくることはなかった。

少しでも、何かに誘おうとしたり、何かを言おうとすると

美紗緒「うるさいうるさい。いいじゃん、今一緒にいてるやんか~?」と甘えた声で言ってくる。

それ以上は何もできなかった。失うことが怖かった。


俺に落ち度はなかったと思う。


美紗緒は、いきなり、キレた。


それが本当つい先週くらいの高3の夏前だった。


俺は翠だ。


その時、美紗緒は、俺を「ケイ」と呼んでいた。

「ケイがちゃんとしてくれないからじゃん」「ケイが私をこうさせたんでしょ」


多分もともと付き合ってたんだろうな。そんで、大したことない男なんだろうな。

その大した男以下の俺って、、、てゆうか俺なんなんだよ、

ぐるぐるしてた俺に、美紗緒は正気に戻って言った。

「あんた中学の時に付き合ってた女、私のこと悪く言ったんだよね。その腹いせやねん」

そして美紗緒は可愛い笑顔で笑って言った

「ごめんね、本当謝ってもかわらへんけど、、、、ごめん。ちょっかい出して」



謝る気持ちなんて、ないんやろうなって思う。

彼女は自分がかわいくて、むかつく女の男に特に本当に何も考えず、ちょっかいを出したんだろうなと思った。


俺のこの気持ちはどこへ行くの。てか女って怖い。何でそんなことが出来るかわからない。

万引きするような女だと思ったけど、なんか、この綺麗な女に惹かれた俺もどうなのってよくわからない。



だから、


なんか、色々やる気出ない。でもやっぱり美紗緒が俺の中で一番綺麗だった。


そんなこと考えてたら、見上げてた空に飛行機雲が出来た。



後から知ったけど、美紗緒はカナダに留学に行ったらしい。

何も言われなかった俺。聞けなかった俺。夢だったのかなとも思うし、


もうあの女性に出会いたくない。

ケイは地元のヤンキーらしいから。でも俺は美紗緒が好きだった。


そして、

あっという間に冬になって、コンビニでのバイトをやめ、卒業を待つだけの俺になった。


コンビニで働きまくった俺は、ある程度お金を貯めて、親にやった。

専門学校にいくのも実家からだし、聞く限り忙しいらしくバイトもしなさそうだから。


1月はヒマすぎて「モンハン」をDSでやっていたが、携帯でもネット回線の繋がるゲームをやってみたいなと思い、

友人のヤマタイと見つけた「ドラゴン」というアプリを2人で始めてみた。


スグにスカウトをしてくれた人はソーダという名前だった。

ソーダさんはなんか淡々としてて、ソシャゲーだけど、その雰囲気が俺は好きだった。

ソーダさんのチームにはHANA・伊吹・hiro・優・ZUTAというメインメンバーがいて、入れ替わりはあるし、

ぶっちゃけテンション高い奴いるし、ヤンキーぽい女もいるし、馴染めるかなと思ったときもあったけど、

Suikunは何してるの?Suikun京都はあめー?とか聞いてくる皆が結構好きだった。


あるときはみんなで一斉に(月)9のドラマ見てさ、掲示板は大荒れ。

HANA「そいやっさーそいやっさ」

優「しょーしゅーりっきー!」

伊吹「暴力振るう男さいてー」

CMをただ打ったり、ドラマの感想を自由に言う皆が、俺にとっての居場所だった。

卒業式は2月末だった。

みんなおめでとうって言ってくれた。専門学校に行くからインが減るって言ったときに、

「だからなに?変わらんでしょ」っていう皆がいて俺は嬉しかった。


やってる人にしかわからない話かもしれないけど、

ごたごたも色々あった。

あんまり好きじゃないけど。

でも素直な女の子がいるんだよね。

いや、欲望に忠実なだけなんだろうか。

女はやっぱり怖いんだけど、


その子には会ってみたいなと思う。


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