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ドラハウス☆  作者: 希望
4/10

~レベル4~hiro23歳~

夏に第3子が産まれた。すごくかわいくて、疲れる。もう産むつもりなんてなかったんだけど、やっぱり、子どもができたっていうときは嬉しかったし、喜びも多い。


だいたい朝は幼稚園に送って掃除や洗濯や育児をして、たまに知合いのお店をお昼に手伝って、夕食を作って。

ママ友もいるけど正直めんどくさいし、髪の毛が明るいコト、とやかく言われるし。早く結婚しちゃったけど、それはそれでいいと思ってるし、旦那さんも夜は遅いし不定期な仕事だけど土日は一緒にいてくれるし、とくに不満もない。


育児しててもたまにタバコは吸っちゃうけど、お嫁さんになりたかったし、考えるのは苦手だから別にいいやって思ってる。


だけど、なんか1人でいるときに寂しいなあって思って、アプリを適当にダウンロードして子どもと遊んでるときに見つけたのが「ドラゴン」だった。多分、10月くらいかな。


アプリのトップ画がかわいくて、女の子の戦士が何かするアプリなのかなって最初は思っちゃった。けど中身は沢山アイコンがあって、これは子どもにも無理だし、てゆうか私には無理だなった思っちゃった。だから、たまにインしてよくわからないまま、いろんなボタンを押してたんだけど、、、笑


掲示板で人とたまに絡めるのが楽しいってことにだんだん気づいた。

多分ね、顔はかっこよくないと思うんだけど、クールに色々教えてくれるゲーマーさんがいてね。

その人が札幌に住んでるって言ったから、すごく親近感を覚えたの。

私も札幌に住んでるから。しかも、だいたい夕方から深夜にインする私と、インする時間がかぶるみたいで、結構一緒だったから、最初のチームで一番頼れる人だなあって思ってたの。

名前は伊吹。名前がかっこいいよね。hiroは姉妹しかいないし、子供も全部女の子だし、なんだか、ちょっと恋する感覚に似てたんだよね。


チームの他の人のことはよくわからなかったけど、団長がいきなり解散って言ってて、hiroは「あこのゲームやめなきゃなのかな?」とかってちょっと残念に思ったの。そしたら伊吹が、「hiroは俺と一緒にくるでしょ?」って言ってくれて、実は結構どきどきしちゃって、うれしかった。

「うん、ついてっていい?☆」って言って、11月くらいに、次のチームに言ったの。


新しいところに行っても特に関係は変わらなくて、伊吹がいるときにhiroはインしてた。というか、伊吹がいると、なんか、なんてゆうのかな、ゲームのセンスがあるし、チーム戦で勝てる確率が増すっていうか!かっこいいの。うん、会ったことはないんだけどね。笑

なんか、ドキドキするのっていいじゃん。普段してないから。


だけど12月にHANAちゃんって女の子が入ってきて、hiroは結構嬉しかったの!HANAちゃんは伊吹のことスグに慕ってた。明るくて、hiroよりインが長いみたいで、スグチームに馴染んでたな。HANAちゃんは気軽にhiroにも質問をしてくれて、出身地を教え合ったりして、札幌だって言ったら、ラーメンは味噌派なのかとか聞いてきてくれて・・・なんか日頃話さない些細な会話ができることがすごい嬉しかった。あと、たくさん働いているみたいで、いつもお疲れ様っていうと、癒されたよって返してくれて、hiroそういう趣味はないんだけど、自分がなりたかった可愛い女の子になれてる気がするって言うか・・すごいドキドキしてた。

伊吹と仲良くなるHANAちゃんにこっそり嫉妬もあったけど、なんか良いチームだなって感じてたら、他のみんなもそう言ってて、なんかその一体感というか、背徳感というか、、、どんどんこのゲーム大切だなあと思っていったよ。


でもショックだったのが、いつも伊吹とhiroのインが一緒だったからかな・・・団長が急に「hiroは伊吹のサブアカウントでしょ、もう茶番に耐えられません」っていって退団して他のチームを立ち上げ始めたの。このゲームにはリーグって言って、多分1ヶ月に1回くらい他のチームと総当たりかなんかで勝ち点で順位が決まるイベントがあって、hiroもがんばりたかったけど、子育てあるし、後半しかいつも出られないから・・・いつもと変わらずやってただけなのに、急にチームの雰囲気が悪くなった。

多分、伊吹が遅刻してきて、hiroも同じくらいにきて、多分伊吹が遅かったから負けちゃったのが団長は許せなかったんだと思うけど、チームでも、え?同じ人が2個携帯もってやってたの?って空気が流れたのは、ネットの中だけどhiroにもわかった。

すごく居づらくてどうすればよいかわからなかったけど、HANAちゃんが「団長説得してくる!みんなはステイ!」ってゆうから、とりあえず待ってみたんだよ。なんか誤解は解けなかったみたいで、チームは解散に向かっていった。

チームを変わる方法は多分3つで、1つは除名されるとどこか知らないチームにいくことになって、もう2つはスカウトを出して違うチームの団長さんに話しかけてもらう(自分から話しかけてもOK)、もう1つはチームを立ち上げること。


hiroはスカウトとかで自分を売り出すのとか苦手だし、チームを立ち上げるなんてできないからどうしようって思ったときにHANAちゃんが「伊吹とhiroはここに居づらくなったでしょ?HANAがチーム探すから一緒にどこかいこう」「スカウト出したらリーグに出るところから来ないかって言われたんだよ☆一緒にリーグに出よう」って誘ってくれたの。なんか気持ちを汲んでくれるってこうゆうことを言うんだなって思った。伊吹は強いとこでもっとやりたかったみたいで、「楽しそう、一緒にいくよ」ってゆってて、hiroはこの2人と一緒にやりたいって思ったから、ついていこうって思った。


「いつか札幌でジンギスカン食べたいなあ~」「ススキのマックはススマって言うんでしょ」なんて会話をするHANAちゃんと伊吹を見ながら、hiroはいつかこの会話が現実で起きたらどうしようって胸を高まらせていってたの。2人の顔だって怖いもの見たさで見てみたい気もするし、お互い何も知らないで、思いやれるこの関係でいたい気もする。


たぶん、子どもにできものが出来たとか、子どもの欲しいものがあるとか、そんな悩みの方がリアリティがあるんだけど、

今はまだ、皆の中に浸っていたいなって思うの。


いつまでかはわからないけど、hiroは本当にかわいいねって言ってくれて、甘えられるこの場所はhiroには必要なの。


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