表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先はモブ令嬢でしたが魔法ギルドの隅で薬を作っていたら国を救うことになりました  作者: 渚月(なづき)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第一話 モブ令嬢は隅っこが好き

魔法ギルドの薬務部門で、私の席は窓際の一番奥にある。

誰にも邪魔されない、最高の場所だ。


ハイネ子爵家の五女。

継ぐものもなく、嫁ぐ予定もなく、魔力は人並み以下。

この世界の物差しで測れば、私は紛れもないモブだ。


ただ——ひとつだけ、誰にも言えない秘密がある。


前の世界の記憶を、持っている。


光る板を叩いて論文を書き、白い部屋で試験管を振っていた。

製薬会社の研究員だった前世の記憶が、この手に残っている。


魔法の才能はない。

けれど、薬の知識なら——この世界の誰にも負けない自信がある。


だから私は、この隅っこで十分だ。

目立たず、騒がず、好きな研究を続けられればそれでいい。


実験ノートを開く。

今日の仮説。この世界の薬草と前世の薬理学を組み合わせれば、既存の魔法薬より安定した解熱剤が作れるはず。


丸眼鏡を押し上げ、ペンを走らせる。

インクが袖に飛んだ。いつものことだ。


没頭していた。

だから気づかなかった。


ノートを閉じて席を立ったとき、その端が風に煽られて、通路に滑り落ちたことに。


翌日。

私のノートが、公爵家の当主の手の中にあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ