第二章 化け物
この物語はフィクションです。実際に起こった出来事ではありません。団体や人物名などもすべて作者の妄想です。一部ホラー的な要素も含まれています。
では、楽しんでみていってください。
エレベーターが開いた。僕は降りる。さっきの部屋とは全く違う雰囲気で、草が生え、蛍が飛び、巨木があり、綺麗な夜空が広がっていた。横にある壁を見る。そこには「B8」と書かれていて、その近くに一人座って寝ている人がいた。自分のイメージ的にある男子学生の格好、そして短髪。僕はその人に「大丈夫?」と声をかけた。その人は目を覚まし、「ひゃっ!」と驚き離れた。声が高い。自分はその人が男子だと思っていたから、こっちまで驚いてしまった。
彼女は落ち着きを取り戻したみたいで「あの…名前はなんですか?」と先に質問をする。
「「そう」、そっちは何?」
「そう……?」彼女は驚いた表情をしていた。
「「そう」、で合っているよ。」
「あっはい。私は……思い出せないです…あっ! でも「レイ」って呼んでください!」
「よろしく。」
「よろしくお願いします!」
そういう会話を経て、レイと一緒に進むことになった。
とりあえずぐるっと回ろうとした。だが、無限ループみたいに同じ風景が続いている。だから、中央の巨木を調べることにした。その巨木は巨大で、「本当に建物の中か」というくらいデカく、マンション一個は余裕で入れられそうなほど(中が空洞なら)大きかった。しばらく巨木を調べていると、木の色と同化した取ってが何個もあった。だけど、低い位置にある取っては一つしかなかったので、そこから巨木の中に入った。
入ったら三つの扉が目に入った。まず、右側の一つに入ってみることにした。その部屋は、薄暗く、天井に穴が空いており、中心に猫がいた。レイが「かわいい!」と言い、近づいて行こうとする。その時に、上の方から、空気を切る音が聞こえた。気づいたら声を出す前に体が動いていた。レイを引っ張ってその部屋から出る。レイと僕は両方ともバランスを崩して転んでしまった。レイが扉の方を見る。同時に空気を切る音もした。「大丈夫?」と僕はレイが心配になり立ち上がって声をかける。レイは「あ……あ…」と怯えている様子だった。僕は立ち上がり、レイにまた声をかける。
「立てる?」
そう言うと、レイは無言で立ち上がり、僕の服の裾を弱々しく掴んだ。さっき何が見えたんだと思いつつ、またどこからか襲われるかもしれないので、そのまま進むことにした。
薄暗い、かつ天井が空いている部屋を避けて、移動を繰り返していたら、エレベータの前まで来た。エレベーターがまだ空いていなかったから、レイにもう一度声をかけた。
「大丈夫?」
「はい……ありがとうございます。」
弱々しくそう言うと、裾から手を離し、僕の横に立った(さっきまでは後ろに隠れる形だった)。エレベーターがその時に開き、それに乗り次のエリアに進んでいった。
エレベーターがついたので降りた。降りる前から、異様な土臭さが漂っていた、しかも壁はボロボロで建物の中とは思えなかった。レイの方を見る、平気そうだった。両側に道が続いていて、目の前には扉があった。そこには、「すべてのボタンを押し、脱出せよ」と刻まれていた。ただ、異様なほどの圧力が扉の向こうから感じられた。なので、周りから調べることにした。
一周まわったが、反対側と思われる場所にエレベーターがあること以外、特に何もなく、エレベーターも動作する気配はなかった。だから、仕方なく扉の向こうを探索することになった。扉の向こうは、入り組んだ迷路みたいになっていて、ついでに二階まであった。
一階の探索をある程度終えたあと、空間は外周をまわった時より広く感じられた。その後、二階に行った。二階は一直線の通路と右に分かれた通路、部屋が多数ある以外に特に何もなかった。部屋の中も探索したが、通路の左側の部屋は特に何もなく、右側の部屋に一階と同じ謎のボタンがあり、分かれた通路に繋がっている扉がある以外、特には何もなかった。二階の奥の方に一つだけ光っているボタンがあった、その光ってるボタンを押した瞬間、警報がなり、後ろから「ズルズル」といった音が聞こえた。振り向くと、そこには巨大な何かがいた。とっとと抜け出さないと、と思い、レイを連れて走り出した。巨大な「何か」もこちらの動きを察知したらしく、追っかけてきた。
まず玄関に向かった。だが扉は謎の力で閉ざされていた、ボタンをすべて押さなければ出られないのかと思い、一階の攻略を始める。隠れ場所もない、穴ぼこだらけで落ちそうになりつつ、一個目、二個目、三個目。この後も順調に押していった。七個目を押し終えた時、レイが
「次、二階です!」
と言った。なんで知っているか疑問に思ったが、その言葉を信じて二階に行った。右側の部屋だけにボタンが集中していることを知っていたので、すべての部屋のボタンを押した。そしたら、警報もなりやんだ。だが、まだ「何か」追ってきていた。捕まらないように一階に逃げ、玄関から急いで外に出た。と同時に「何か」が追ってくる音も消えた。
レイの方を見て、歩き始める。レイは何かブツブツ言いながらついてきた。心配になって僕は声をかける。
「大丈夫?」
レイは数秒ブツブツ言っていたが、僕がもう一度言うと。
「あ…はい!大丈夫です!」
嘘なのがよくわかる。目元が疲れ果てたようにクマができていた。
「…じゃあ行こう」
レイのことが心配になりつつもさっきのやつがいつ襲ってくるか分からないから進むことにした。安全な場所はどこかにないかと思った。
会話のネタもなく、気まずい空気が流れる。人と話すときはいつもこうなっていたっけと昔のことを思い出そうとする。その時、一瞬頭痛に襲われた。と同時に何かの記憶がフラッシュバックした。けど、頭痛の後にその記憶を思い出すことはできなかった…と言うより思い出したくないような気がした。そんなことを考えている間にエレベーターに到着した。ちょうど閉まり始めようとしていたため、僕とレイは急いで乗り込んだ。エレベーターの扉が閉まる。そして上がり始めたと同時に嫌な予感がした。




