訓練
「今から制服の機能を説明する」
シャールは自らの制服で実演を始めた。
「基本は“移動”、“防御”、“撹乱”だ」
腰付近にあるボタンを押すと高速で走り回った。
それから空中を飛んだり逆に遅く動いたりした。
「今のはもう一度ボタンを押せば解除される。その時は落下や衝撃に注意しなければならない。次に防御だ」
制服の袖に着いたボタンを押してから武器を持って来た。銃の様な物だ。
「自動照準システム作動。対象者はシャール刑事。防御システムを発動して下さい」
シャールは仁王立ちで銃の前にいる。
「発射します」
シュピーン!
銃口からレーザー光線が放たれた。
「フンッ!」
両手をクロスして光線を弾いた。
弾かれた光線は地面に焦げ目をつけた。
「おお!」
「弾いたニャ!」
満更でもなさそうな顔でシャールは説明する。
「防御には限界もある。それに敵が使う武器は光や跳弾にも殺傷力が含まれている。今の様に腕や足で身体を守ればダメージはゼロに近い。気をつけるべきは飛び散ったレーザーだ」
地球でも火薬を用いた銃が存在するが跳弾による二次被害の概念は共通している。
「最後に撹乱だ」
歩きながらシャールは防御とは違う場所のボタンを押した。
「シャール!」
「ニャニャ⁈」
いきなり目の前から消えてしまった。
後ろから肩を叩かれた。
「えっ!」
シャールが立っていた。
「まだあるぞ‥」
不敵に笑うとまた前に移動した。
「よく見ておくんだ」
シャールが移動する度に分身が次々に現れた。
それらがバラバラに動くのだからどれが本物か分からない。
「くらくらするニャ」
シロは驚きすぎて興奮している。
「これが撹乱だ。潜入する時はよく使うからな」
続いて武器の説明をされた。
「時空刑事はレーザーブレードとビームガンを装備する」
某SF作品や東◯特撮ヒーローが使いそうなまんまの武器だった‥
「ブレードは“硬質モード”と“切断モード”の2つだ」
レーザーブレードを持って太い柱を叩いていく。
バリッ!バリッ!
どんどんボロボロになっていく。
「今のは硬質モードだ。次に切断モードに入る」
切断モードにした瞬間に青白くブレードが光った。
完全にライト◯ー◯ーだ。
シャキン!スパッ!
今度は綺麗に柱が砕かれた。
「ざっとこんな感じだ。ビームガンはもう何となく分かるだろう」
拳銃型の武器を片手で構える。
シュピーン!
これまた青白いレーザーが飛び出す。
柱は粉々に砕かれた‥
「威力調整も可能だが先ずは使って見ることだ」
それから訓練に移行した。