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激突!聖樹の森

「撹乱機能を解除!リカルドを迎え撃つ!」


「了解!」

「ニャニャ!」


着陸地点より暫く追いかけっこをした後に大木が生い茂る場所に来た。


“聖樹の森”

惑星上空から見て黄緑色に見えるエリアだ。

その実態は地球では考えられない程広く大きく成長した木々が生い茂っている森だ。

カープル帝国含めた“自然への畏怖”はこうした環境がある為だ。


「大木ごと薙ぎ払ってやるわ!」


ズビビビビビ!

後方から怪物の殺人ビームが押し寄せる。

先程よりも高威力な光線がベアーに迫る。


「防御能力を超えています」

無機質なAI音声が内部に響く。


「聖樹の森を盾にする」


巧みな飛行技術でシャールはビームを避ける。


ズビビビビビ!!

バリバリバリ!ゴガガガガ!!


たかが鉛筆でなぞった様な光線で辺りの大木は粉々になっていく‥


「ヨウジ、シロ!反撃だ!」


シャールの指示でそれぞれがビーム砲の照準を合わせる。


ドシュー!!ドシュドシュー!


シュピーン!!


怪物は防御能力を用いてこちらの攻撃を弾く!


「ガハハ!時空刑事もその程度か?」


シャッ!ガキン!


ベアーに鉤爪で張り付いた!


「シャール!撃てない!!」


ガコン!ガコン!


防御を少しずつ力技で壊そうとする怪物。


「今から大木にぶつかる。衝撃に備えろ!」


シュウィーン!

加速して急旋回する機体。


「ウゴッ!!」


思い切り大木にぶつけて怪物を振り落とす!


「二人とも大丈夫か?」

「はい!」

「ニャ!」


この程度では時間稼ぎにしかならない。


「シャール‥考えがある」


「‥分かった。やってみよう!」


とある作戦を思いついた俺はシャールに操縦を任せた。


「じきにゲドーの仲間も来る。お前らは棺桶だ!」


相変わらず挑発をして来る。


「シャール!今だ!!」


ベアーが急上昇した。


ビビビビ!!

下からは殺人ビームが襲い来る!


ビシシシ!!

防御の一部が損傷した。


「今!!」


今度は急降下した。


「何をしている馬鹿刑事!もう策が無いのか?」


同じ動きを一定のエリアで繰り返した後に超低空飛行に移る。


「せいぜい這いずり回れ!」


あくまでも逃走に専念する。


ミシミシ‥バリバリ‥

先程からのビームで周りの大木が悲鳴をあげている。


「ヨウジ‥まだか?」

「やばいニャ!」


「もう少し!」


まるで奇兵隊とインディアンの戦いだ。

だがいつまでも後手には回らない。


「シロ!撃て!撃ちまくれ!!」


怪物に向かってビーム砲を撃つシロ。


「ガハハ!そろそろ死ねや!」


奴が気を取られている事を確認して周りの木々に俺はビーム砲を浴びせる。


ドシュシュシュ!!

ゴゴゴゴ!バリバリ!!


ドミノ倒しのように一斉に大木が倒れる。

前方以外は完全に埋没してしまう勢いだ。


「くっ‥小癪な!」


何となく意図に気付いた怪物だがもう遅い。


「急上昇!!」


シャールが操縦するタイミングで前方の木にもビーム砲を撃った。


ゴゴゴゴ!ズシャーン!


「ヌオッ!」


怪物は大木に生き埋めになったが死んではいない。

潰される前に防御を使う筈だ。


「シャール!」


「よし!」


上空から倒れた大木たちにセンサーを照射する。


押しつぶされながらも生きている怪物を見つけた。

流石にこれ程の重さには出るにも時間がかかるようだ。


「爪と尻尾の防御が甘い!」


「分かった。あとは任せろ!」


上空から正確な照準でビーム砲をお見舞いする。

ビシュー!!ビシュー!!


数発の光線が大木を貫いて怪物に当たる。


「アガガガ!貴様ら〜!!」


「くたばれ〜!!」

「ニャ〜!!」


ドシュー!!ドドドドシュー!!


更に追い討ちをかける。


「ゲドーに栄光あれ‥」


捨てゼリフを吐いて怪物は死んだ。

そしてリカルドの姿に戻ったが、大木の重さにより一瞬で潰れた。

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