追撃
怪物となったリカルドの追跡を交わしつつ夜の首都を駆け巡る‥
向かう先はベアーの着陸地点だ。
街を移動する際はお互いに擬装を使っているが、人間離れしている事に変わりはない。
「何て化け物だ!」
「ただのエロ親父じゃ無いニャ!」
「フハハハ!待てい!」
人目が無い場所では殺人ビームを容赦無く浴びせて来る。よく見るとムササビの如く膜を広げて低空飛行している!
「シロ!別れて合流だ!」
「ニャ!」
別々のルートで行こうとしたが無駄だった‥
「分身‥」
何とリカルドも我々と同様の技能を有していた!
「チッ!」
諦めて全速力で飛行艇へ向かう。
「早くシールド内へ!」
シャールの通信を聞いて“移動”を更に加速させる。
「ほほう‥これが“犬”のおもちゃか」
さっきから“忍び”やら“犬”やらウザい奴だ。
強力なシールド内には流石にリカルドも侵入出来ない。
「シャール!どうする⁈」
「一度森の奥まで行く。そこで一騎打ちだ!」
飛行艇ベアーは撹乱を用いてその巨体を離陸させる。
地上からは殺人ビームが降り注ぐがノーダメージだ。
「逃げるなよ‥」
怪物も飛行しやすいように身体強化を行なった。
「行くぞ!」
ビシュー‥!
側からみれば何も無い空間からジェットの強風が吹き荒れている。それを追う様に小さな強風も続いていく。




