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感情無き妖狐 ーレイー  作者: 谷崎 馨
第一章 噂
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神社から神社へ

 鳥居をくぐると、そこにはボロボロの拝殿(はいでん)が目につく。そして、ただ一言に尽きる。

 ―――不気味だ―――

 そして少年達が歩き始めてから結構時間も経っているので辺りも暗くなり始め、肌寒くなってきたのでさらに不気味感が増す。そしてまた、辺りは静かだ。


「やべぇ…マジで着いちまった。」

「なんか…不気味っていうか変な空気だね」


 山の中で空気が美味しく感じるはずなのに、少年達はそんなことは感じなかった。言うまでもない。不気味で緊張や不安が少しからずあるからだ。その緊張や不安を紛らわすように好奇心旺盛の少年が言う。


「よし、ここからが本番だぜ!本当に噂の化け物がいるのか探すのが目的だろ!?」

「え、えぇ…」


 困惑しながらも好奇心は全くないとは言えなかったのでそう返事するしかなかった1人の少年。


「えっと〜こっちから回るか!」


 そう言って参道だったはずであろう道を落ち葉の上からゆっくり歩く。神楽殿、手水舎(ちょうずや)、摂社、狛犬(こまいぬ)、そして本殿…。

 一通り回ったはずなのに例の化け物はいない。やはり、噂は嘘だったのだろうか。


「ほら居ねぇじゃん!んだよぉ居たら居たで面白かったのにぃ…」

「でも僕達は無事でよかったね。」

「そうだな。よし、もう暗いし帰るか!」


 そう少年達は言い、来た方向へまっすぐ帰った。

 ―――はずだった。


「どこだ?ここ」


 迷った。しかも見た記憶のない川がある。


 「ま、迷っちゃったね…まっすぐ歩いたはずなんだけど…」


 辺りはもう暗く、寒い。さすがに好奇心だけで動いていた少年も焦り始めていた。


 「ねぇ、どうしよう…僕達何も持ってきてないよ?」

 「……しゃーねぇ。もっかい神社戻るか?そっちの方が一旦落ち着けるだろ」

 「……よくそんなこと思いつけるね。僕怖くて無理だよ…」

 「でも何も無かっただろ?戻ろう!」


 子供心というのは恐ろしい。特に恐怖心より好奇心の方が勝っていれば、ズカズカと何も考えずに行ってしまう。少年達は神社に戻った…。

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