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感情無き妖狐 ーレイー  作者: 谷崎 馨
第一章 噂
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地蔵助けと発見

 落ち葉を踏みながらただひたすらに歩く少年達はあるものを見つけた。


「おい、あれ見ろよ!お地蔵さんだぞ!」

 少年が見つけたのは傾いた地蔵だった。

「ほんとだ…。……ちょっと不気味、だね」

「てかなんで傾いてんだ?」

「ちょっと!まさか、さ、触るの!?」


 1人の少年はまた、好奇心で地蔵に近づく。


「だって傾いてんだから直せるなら直した方がいいだろ?人助けならぬ、お地蔵様助けってか?ははっ笑」

「…わ、わかった。手伝うよ」


 少年達はまず地蔵にかかった落ち葉を払う。そこから地蔵を持ち上げ、まっすぐに立たせる。


「…意外と簡単に直せたな。俺らめっちゃいいことしたんじゃね?」

「まぁ直したもんね」

「おっし!じゃ行こう、ぜ…」


 1人の少年が固まる。もう1人の少年はどうしたんだろうと目線の先を見るとそこにはボロボロの朱色の鳥居があった。困惑で2人は目を合わせ、しばらく地蔵の前で突っ立っていた。


 「まじかよ…目の前にあんじゃん、神社…」


 ボソッと1人の少年がつぶやく。2人はその神社に目を奪われている。ボロボロでなんとも言えない不気味な雰囲気なのに関わらず、2人は何故かその神社をじっと見つめていた。

 少年達がいる山の中はとても静かだ。動物の気配も鳥の声も虫の声も川の音も。何も聞こえない。世界には2人の少年だけがいる。本当にそのような状態だった。


 「行くか…」

 「うん」


 2人の少年はまた、神社に向かって歩き出した。

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